スイレン ~水恋~
停まってたミニバンの脇に横付けした車を降りる。まだあと二台分は余裕な広さ。・・・(シゴト)関係のお宅訪問とか?

「おいで」

連れられてガレージを出ると、玉砂利を敷いたアプローチが三角屋根の平屋建てに続く。隆二は躊躇なく鍵のかかってない玄関ドアを開き、戸惑い気味なあたしを(いざな)った。

「こっちだよ」

上がってすぐ右手の扉から中へ。

リビングは天井が高く、開放感に目を奪われた。カーテンやソファは暖色系で、カラフルな絵が飾られてたり、極道っぽさは微塵もない普通の家。

なにより驚いたのは。

「伊沢さん!」

カウンター越し、キッチンに立ってた作務衣姿の背中は思ってもなくて。
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