スイレン ~水恋~
企みの覗く甘い笑みと眼差し。イイ子にはご褒美。ご褒美って次元から、かなり飛び出してると思うわよ。

隆二は軽口だけど。くれるのは言葉よりもカタチ。温もりだったり、作ってくれるご飯だったり、まさかこんな大きい宝箱を用意してたなんて・・・!

「・・・隆二って」

「ん?」

「嫌いになれる気がしないわ」

脱帽。降参。

目だけで通じ合い交わすキス。アリガトウやウレシイじゃ言葉が足りない。

もどかしさを熱で伝える。繋がっては離れ、繋がっては離れ。隆二の首に腕を回せば、強く腰を引き寄せられ、どんどん深くなるのを何か忘れてる気がした。

「・・・見せつけるのはその辺にしねぇか」

溜め息雑じりの気配で、伊沢さんが凄むまで。
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