スイレン ~水恋~
6-3
「別荘暮らしも、そろそろ一年だっけ?」

天然木のデッキチェアでくつろぎ、あっという間に一本目の缶ビールを空にした秋生ちゃんがニンマリ。その筋の人間が言うと、違う意味に聞こえるんだけど~。

「この()にはゼッタイ向かないと思ったのに、なーんか会うたび肌ツヤ良くなってるしー」

「リュウジさんの育て方に、コツがあるんじゃねーの?」

コンロの上の串刺し肉や野菜をひっくり返しながら、悪戯っぽく口角を上げたハルトさん。

「んー?放し飼いが一番。美味しくなりそうだからねぇ」

「なんの話よ、もう!」

冗談めかした隆二にわざとらしく呆れれば。無精髭の休日モード男は上機嫌でジンソーダの缶を呷ってる。

残暑も落ち着き、行楽盛りな季節の到来。ただ天気がいいって理由でバーベキューに誘ってみたら、一つ返事で二人が真っ昼間の庭先にやって来た、というわけだった。
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