スイレン ~水恋~
渋滞で詰まった大型の立体駐車場から抜け出すのに思ったよりもかかり。運転席で黙りこくった志田からは暗黒の殺気が漂ってた。見て見ないフリをした。
国道に乗ってしばらく、サッパリしたものが食べたくなって回転寿司をリクエスト。回らない寿司にしてくれと粘られたけど、そこは折れない。志田が恨み節を呟く。
『・・・そんな安上がりで済ませたのかと若に叱られるんですが』
気楽に好きなもの選べて楽しいじゃない。作法に気を遣うの疲れるし。
デザートまでお腹に収め、家路についた車の中で徐々に睡魔に誘惑されてく自分。乗せてもらってる以上は居眠りしないのが礼儀。スマホを弄ってみたり懸命に抵抗を試みる。・・・みる。
ふっと意識を持っていかれそうになった束の間。手から抜け落ちてたスマホが膝の上で着信音を鳴り響かせた。自分で驚いて不格好な声を上げ、画面に目を凝らせば愛しのお兄から。眠気が瞬時に吹き飛んだ。
「も、もしもしお兄っ?」
『どうした?大丈夫か』
慌てた様子に聞こえたらしく気遣わしげな声。
「あ、うんっ何でもない。お兄こそどうしたの?」
夜の九時前。ホテルでまったり寛いでる頃よね。
国道に乗ってしばらく、サッパリしたものが食べたくなって回転寿司をリクエスト。回らない寿司にしてくれと粘られたけど、そこは折れない。志田が恨み節を呟く。
『・・・そんな安上がりで済ませたのかと若に叱られるんですが』
気楽に好きなもの選べて楽しいじゃない。作法に気を遣うの疲れるし。
デザートまでお腹に収め、家路についた車の中で徐々に睡魔に誘惑されてく自分。乗せてもらってる以上は居眠りしないのが礼儀。スマホを弄ってみたり懸命に抵抗を試みる。・・・みる。
ふっと意識を持っていかれそうになった束の間。手から抜け落ちてたスマホが膝の上で着信音を鳴り響かせた。自分で驚いて不格好な声を上げ、画面に目を凝らせば愛しのお兄から。眠気が瞬時に吹き飛んだ。
「も、もしもしお兄っ?」
『どうした?大丈夫か』
慌てた様子に聞こえたらしく気遣わしげな声。
「あ、うんっ何でもない。お兄こそどうしたの?」
夜の九時前。ホテルでまったり寛いでる頃よね。