スイレン ~水恋~
なにを言い出したのかとギョッとして咽せそうになった。
わざわざ教えなくていい、いいから~~っっ!!そもそも、あの男に会いたいなんて一言も言ってなーいっっ。
「秋生ちゃん、柳さんとは別にそんなんじゃ・・・っ」
「イヤよイヤよは好きのうち!」
あたしの鼻先にピシッと人差し指を突き付け、ニッコリ笑う美人悪魔。
「って言われたくなかったら、腹括りなさいよー?」
返す言葉に詰まって沈黙する。
・・・そうよね。何でもないのに変に意識するほうがおかしいのよね?ただの女たらしの、お兄の知り合いって思えばいいだけじゃない。あたしが振り回されることなんかないったら!
言い聞かせてお酒に逃げる当事者をよそに、彼女に押し切られたバーテン君は渋々、ズボンのポケットから抜き取ったスマホに素早く指で打ち込む仕草。
数十秒と経たないで再び画面を覗きこんだ彼が、こっちに愛想笑いを浮かべて見せた。
「ゼッタイ帰んないでね?」
わざわざ教えなくていい、いいから~~っっ!!そもそも、あの男に会いたいなんて一言も言ってなーいっっ。
「秋生ちゃん、柳さんとは別にそんなんじゃ・・・っ」
「イヤよイヤよは好きのうち!」
あたしの鼻先にピシッと人差し指を突き付け、ニッコリ笑う美人悪魔。
「って言われたくなかったら、腹括りなさいよー?」
返す言葉に詰まって沈黙する。
・・・そうよね。何でもないのに変に意識するほうがおかしいのよね?ただの女たらしの、お兄の知り合いって思えばいいだけじゃない。あたしが振り回されることなんかないったら!
言い聞かせてお酒に逃げる当事者をよそに、彼女に押し切られたバーテン君は渋々、ズボンのポケットから抜き取ったスマホに素早く指で打ち込む仕草。
数十秒と経たないで再び画面を覗きこんだ彼が、こっちに愛想笑いを浮かべて見せた。
「ゼッタイ帰んないでね?」