壬生狼の恋ー時を超えたふたりー
「まあ、いいけど…
こいつ、本当に真剣持てるの?

腕は細いし、さっきので震えちゃうくらいだし、足手まといは新選組に入らないよ。」

総司と呼ばれていたので、きっとこの人は一番隊組長の沖田総司だろうと震えが止まった後、考えているとその男性は私の腕をつかみ、まじまじと見た。

「真剣は昨日持って、俺とやりあった。
今は重さに耐えられてないけど、稽古用の剣で鍛錬を積んだら、使い物にはなる…はずだ。」

「まぁ、いいや。
一番隊じゃないなら関係ないか。

俺の名前は沖田総司。呼び方はお好きにどうぞ。

これ、あげるから、朝餉の後道場に来て。
稽古つけてあげる。」

沖田先生は先ほどまで持っていた刀を私に渡すと、そのまま部屋から出て行ってしまった。

「あの、私は行くべきですよね?」

「当たり前だ。
総司に稽古をつけてもらえる平隊士なんてあんまりいないからな。
あいつは俺よりも強いから、本気で行かないと骨が折れるかもしれないからな。

ただ、刀を飛ばすのだけは禁止だ。

やれば、どれくらいの実力があるか、わかるだろうからいい機会になる。」

それだけ言い終わると、斎藤先生は立ち上がり、「朝餉を食べに行くぞ」と言って部屋を出ていったので、私も刀を置き、斎藤先生の後を追いかけていった。
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