壬生狼の恋ー時を超えたふたりー
私は意を決し、斎藤先生にも言ったことのない私のことを話し始めた。

「今から言うことは決して作った話でも、出まかせを言っているわけではないということを念頭において聞いてください。

私はここに来た時本当は17歳でした。

私は岩手県というところで生まれ、13歳になったときに東京というところに引っ越してきました。

そこで私は役者をしており、得意としていたのは幼少から剣道を習っていたこともあり、殺陣が得意でした。

二刀流の構えはその時に教えてもらったものです。

そして私は新選組を題材にした映画を撮影しており、勝気な町娘の役を演じていました。

ある日、目を覚ますとなぜか私はその役の服を着ており、役名で呼ばれたため、知らないうちに寝ていたのかと思い、演技をしました。

しかしそれは映画の世界ではなく、本物の江戸時代で私が武士に絡まれているところを斎藤先生に助けてもらいました。

目の前で本当に死んでいる武士を見て、ここが映画の世界ではないと知り、斎藤先生に今は何年か聞いたら、文久3年だということを教えてもらいました。

私は和暦で言うと平成23年にいたはずで、知らないうちにばく、江戸時代にタイムトリップしていました。

頼れる人のいないこの世界で私が生きていくためには、手に職をつけることだと考え、斎藤先生に無理を言って新選組へ入れてもらいました。

私の情報が一切ない理由、それは私がこの時代の人間ではないからだと思います。」

私の思いもよらない告白に近藤先生、土方先生、斎藤先生は固まっていた。

それもそうだろう。

私がこの時代の人間ではないということを告白したのだから。
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