壬生狼の恋ー時を超えたふたりー
犠牲者、裏切りなどがいたるところで多発し、旧幕府軍は統制が取れなくなっていた。

新選組はどうにか土方先生が中心となり、各組長がそれを補佐していたため統制がとれている方だったのだが、それ以外は最悪だった。

統制がとれていない旧幕府軍への攻撃はその後も続いていた。

「撤退しろ!」

どこからかそんな声が聞こえてきた。

この状況では戦えないと判断し、それぞれが個別に撤退命令を出し、勝手に撤退を始めた。

「俺たちも撤退する…」

周囲が撤退を始めているにもかかわらず、新撰組だけ撤退しないという選択肢はなかった。

無駄死にだけはしないという考えの新選組にここに残るという選択肢はなったのだ。
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