壬生狼の恋ー時を超えたふたりー
自分たちの刀を鞘にしまっていた時、突如銃声が一発鳴り響いた。

全員撤退していたと思っていたのが、ひとりだけ残っていたのだ。

そして物陰に潜み、銃弾を放った。

その銃弾は不幸なことにひとりの隊士に当たってしまった。

六番隊の組長を務めている井上先生に。

誰もが油断していた時に放たれた銃弾は井上先生の肺の辺りを貫通していた。

「井上、大丈夫か!

お前ら、とりあえず井上を民家の陰に運ぶ。
手伝ってくれ。

そして他の奴らは残りがいねぇか注意しておいてほしい。」

その場に倒れこんだ井上先生を土方先生と数人の隊士で民家の陰に運び、残りのものは運んでいる人をかばうように囲み、他に残っているものがいないか警戒を続けた。
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