壬生狼の恋ー時を超えたふたりー
「沖田先生、聞こえていますか?
近藤先生がそちらに行ったようです。

先輩として近藤先生を導いてあげてください。」

近藤先生の死が伝えられた後、私は心の中で沖田先生にそう話しかけた。

「杉崎!
お前今の話聞いていたか?」

耳元で土方先生に怒鳴られ、私は一瞬驚いたが、どうやらまだ話は続いていたらしく、私はその話を聞きそびれていたようだった。

「すみません…
聞いていませんでした…」

実際に聞いていなかったのだから私は弁解することを止め、正直に土方先生に告げた。

「話は聞くように。

もう一度言う。
俺たち新選組はこの先会津藩との合流を目指し、さらに北上を続ける。

会津藩との合流までに何が起こるかは一切わからないので、いつでも戦える準備柄押しておくこと。

杉崎、今度はちゃんと聞いていたよな?」

「は、はい!
ちゃんと聞いていました!」

最後に名指しで聞かれ一瞬焦ったが先ほど聞いていなかった自分が悪いのだろうとあきらめ、私は今度は聞いていたと土方先生に答えた。
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