壬生狼の恋ー時を超えたふたりー
近藤先生の死からおよそ三ヵ月後、私たち新選組は命からがら会津藩と合流することができていた。

会津藩と合流する前にもあまたの戦いを繰り広げていき、そのたびに旧幕府軍は敗戦を続けていた。

そして今、新撰組は会津藩とともに新政府軍と戦っていた。

新政府軍7000人越えに対し旧幕府軍はわずか800人という小人数で戦いに挑んだのだった。

戦いの舞台は会津藩の藩境にある母成峠と呼ばれるところで行われた。

母成峠での戦いの前日に二本松藩が新政府軍と戦っていたのだが敗戦し、生き残った者が会津藩、新撰組に合流していたのだが戦力差は一目瞭然だった。

新政府軍からの激しい攻防に会津藩、新選組の連合軍はわずか一日で敗れてしまったのだ。

旧幕府軍は一旦母成峠を後にし、若松城を目指し戦況を立て直そうとした。

しかしその若松城もあっという間に新政府軍に包囲されてしまい、会津藩は絶体絶命な状況に立たされていた。
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