壬生狼の恋ー時を超えたふたりー
翌々日から警察官としての仕事が始まった。

警察官の主な仕事は治安維持であり、様々なところに待機場を設置しそこで市民の様子を観察するという新撰組にいたときの見廻りに近いものだった。

ただ、何も起こらなければ一日中その場から動かないという日が続いたため、私の身体は若干なまりつつあった。

せっかく帯剣しているのだから思いっきり素振りをしたい。

そう思っているのは一さんも同じらしく、たまに左手が鞘に触れてはそれを右手が制するという何とも奇妙な動きを繰り返していた。
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