壬生狼の恋ー時を超えたふたりー
数日後、船は無事に蝦夷地へ到着した。

そして事前に決めていた通り、二手に分かれ函館府を目指した。

函館府を目指した我々に戦う意思はないということを相手に示すため、二手に分かれた陣中を先導するように数名の隊士が書状をもって函館府に向かった。

彼らは何も武器となるものを持っていないため、いわば常に死と隣り合わせになっているということだった。

だから後続の陣中は少し離れたところから常に先導する隊士の様子をうかがっていた。
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