壬生狼の恋ー時を超えたふたりー
俺たちは五稜郭で準備を整え、松前城へと行軍していった。
途中奇襲攻撃などにあったが、静かな怒りを心に宿している俺たちがそんなものにやられるはずはなかった。
数日かけ松前城までたどり着いた俺たちはすぐに攻撃を始めた。
しかし松前城には城主の姿はなく、そこにいるのはわずかな兵だけだった。
「俺たちには、これくらいで充分ってか。
お前ら、ぜってー死ぬなよ。
それさえ守れれば何をしたってかまわない。」
これくらいならば怒りの炎をともしていてまともな判断ができないとしても味方に犠牲者が出ることはないだろうと判断し、俺はここで指揮を執りながら仲間に自由に攻撃させた。
数時間後には松前城は旧幕府軍の手中に落ちていた。
苦肉の策か松前藩士たちは敗走するときに城下に火をつけて俺たちが簡単に追いかけられないようにした。
「追いかけますか?」
「いや、この先にはもう一つの陣が待機しているからそちらに任せよう。
俺たちはこの火を鎮火させることが先にやるべきことだ。」
関係のないやつらまで巻き込みやがって、と俺は心の中で悪態をつきながら消火活動に勤しんでいた。
そう思う傍らでいつからこういう考えを持つようになったのだろうと考えた。
昔の俺ならば関係のない人はおろか、仲間内が犠牲になろうがこんなことは思わなかったはずだ。
そう考えているうちにひとりの顔が浮かんだ。
杉崎快だ。
「俺はあいつのせいで甘くなっちまったのかもしれねぇな。
あいつの変な生きたいという感情に感化されちまったのか…
まぁ、あいつはこの時代の人間じゃないっていうし、そう思うのも当たり前のことなのかもしれないな。」
いつの間にか杉崎は新選組になくてはならない存在になっていた。
杉崎が刀を握る理由、それは己を守り、仲間を守るためだった。
そんな甘い考えなどいらない、そう思っていたはずなのに気がつけば俺も無駄死にするななどという甘いことを言うようになってる。
俺も変わったなぁ、そう思いながら俺は城下の鎮火を終えた仲間を集めた。
途中奇襲攻撃などにあったが、静かな怒りを心に宿している俺たちがそんなものにやられるはずはなかった。
数日かけ松前城までたどり着いた俺たちはすぐに攻撃を始めた。
しかし松前城には城主の姿はなく、そこにいるのはわずかな兵だけだった。
「俺たちには、これくらいで充分ってか。
お前ら、ぜってー死ぬなよ。
それさえ守れれば何をしたってかまわない。」
これくらいならば怒りの炎をともしていてまともな判断ができないとしても味方に犠牲者が出ることはないだろうと判断し、俺はここで指揮を執りながら仲間に自由に攻撃させた。
数時間後には松前城は旧幕府軍の手中に落ちていた。
苦肉の策か松前藩士たちは敗走するときに城下に火をつけて俺たちが簡単に追いかけられないようにした。
「追いかけますか?」
「いや、この先にはもう一つの陣が待機しているからそちらに任せよう。
俺たちはこの火を鎮火させることが先にやるべきことだ。」
関係のないやつらまで巻き込みやがって、と俺は心の中で悪態をつきながら消火活動に勤しんでいた。
そう思う傍らでいつからこういう考えを持つようになったのだろうと考えた。
昔の俺ならば関係のない人はおろか、仲間内が犠牲になろうがこんなことは思わなかったはずだ。
そう考えているうちにひとりの顔が浮かんだ。
杉崎快だ。
「俺はあいつのせいで甘くなっちまったのかもしれねぇな。
あいつの変な生きたいという感情に感化されちまったのか…
まぁ、あいつはこの時代の人間じゃないっていうし、そう思うのも当たり前のことなのかもしれないな。」
いつの間にか杉崎は新選組になくてはならない存在になっていた。
杉崎が刀を握る理由、それは己を守り、仲間を守るためだった。
そんな甘い考えなどいらない、そう思っていたはずなのに気がつけば俺も無駄死にするななどという甘いことを言うようになってる。
俺も変わったなぁ、そう思いながら俺は城下の鎮火を終えた仲間を集めた。