壬生狼の恋ー時を超えたふたりー
およそ3ヵ月後、ついに新政府軍蝦夷地へ向けて上陸を試みるために船で近づいているという報が海岸警備をしていた陣から入った。

間もなく陸上での戦いが始まる、そう思っていたときに俺の陣に命令が下った。

海岸奉行の荒井を中心として俺たち陸上軍も船に乗り戦えと。

今まで船に乗って戦うという機会はなく断れるものならば断わりたかった。

しかし函館政権の首、榎本武揚が俺たちにそれを命じたのだから、断ることはできなかった。

俺にその命令を下した時、榎本武揚が「ここで一気に終わらせる」と言っていたこともあり、彼は上陸を許さずに終わらせようと考えているらしかった。
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