壬生狼の恋ー時を超えたふたりー
「それで一番隊の組長のお前が何を言いたい?

杉崎は斎藤の、三番隊所属なのだから関係ないだろう。」

この言葉を聞いた瞬間、俺は思わず刀を鞘から抜きかけてしまった。

いっそのことここで局長のことを斬って自分も切腹しようかと。

でも、俺は思いとどまった。

もしこのことを杉崎さんが知ったらより悲しむだろうから。

俺は何度か深呼吸をした後に局長と向き合った。

「仲間が苦しんでいるのに、組なんて関係ありません。

俺はただ、杉崎さんに謝ってほしいだけなんです。

そして二度と介錯をさせないでください。

杉崎さんに介錯をさせるくらいならば俺がやります。」

俺は今伝えたい気持ちをすべて伝えた。

介錯をさせないでくださいなんて甘いことだということはわかっている。

杉崎さんに介錯をさせるぐらいならばその分俺が務めてもいいと思っていた。

これは俺の本音だった。
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