壬生狼の恋ー時を超えたふたりー
「他にも何か言いたそうだな?」

「はい、杉崎も聞いていてもいいですか?」

「杉崎も新選組隊士だ。
新選組にかかわることであれば、聞いてもらって構わない。」

「わかりました。

今日の見廻りで不審点を発見したので、報告いたします。

四条付近の炭薪屋の主人、枡屋喜右衛門の動向に不自然な点がありました。
いかがいたしましょう?」

私は何も気がつかなかったのだが、斎藤先生は何かに気がついているようだった。

私は息をするのさえ、遠慮しながら、次の言葉を待っていた。

「わかった。
それに関してはこちらで調べておく。

このことに関しては詳細がわかるまで他言無用にしておくこと。」

「わかりました。
報告は以上になるので、失礼いたします。」

立ち上がった斎藤先生の後に私も立ち上がり、近藤先生の部屋を後にした。
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