壬生狼の恋ー時を超えたふたりー
翌日俺は一番隊の見廻りの帰りにみたらし団子を買った。

杉崎さんがおいしいと言ってくれた清水の甘味屋のみたらし団子を。

昔食べたものを食べれば何か変わるかもしれない。

俺はその一縷の希望にすべてをかけたのだ。

「稽古は一刻だけ待ってくれ。

どうしてもその前にやらなきゃならないことがあるから、それまでは自主稽古をして待っていてくれ。」

いつもは見廻りを終えて少し休憩した後に道場で稽古をつけるというのが日課になっていたのだが、この日はどうしても早く杉崎さんのところに行きたかった。
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