壬生狼の恋ー時を超えたふたりー
「土方先生、本日の見廻りに関して報告いたします。」

私は見廻りから帰ってきた状態のまま、だんだら羽織を着たまま、土方先生の部屋を訪れ、先ほど見てきた光景を包み隠さず話した。

「そうか、斎藤たちは楽しそうにやっていたか。

お前ら三番隊にこの任務を与えたのは酷なことだったのかもしれないけれど、これは俺がお前らが憎いからやったわけではないということだけ、わかっていてくれ。

杉崎、今日はもう何もするな。

お前の顔は今死人のように暗い顔をしているから、今すぐ何もかも忘れて寝ろ。

そして今日のことは忘れてもかまわない。

もう二度とお前ら三番隊にこの任務を与えることはないから安心しろ。」

「わかりました。

土方先生、失礼します。」

私は土方先生に挨拶をし、土方先生の部屋を後にするとだんだら羽織を脱ぎながら廊下を歩き、自分の部屋へ戻るとその場へだんだら羽織を落とし、布団を敷くことなく、刀を腰に差したままうつぶせになって寝てしまった。

そしてその日は起きることなく眠り続け、翌日私は袖の冷たさで目を覚ましたのだった。
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