壬生狼の恋ー時を超えたふたりー
そこに立っていたのは私が何度も会いたいと思っていた人物、斎藤先生だった。
「杉崎、遅くなってすまない。」
私は他の隊士が見ているかもしれないのに、そんなことお構いなしに斎藤先生に抱きついた。
「ずっと会いたかった…
私、一度も斎藤先生のことを忘れた日はありませんでした。
いつか会える日が来たら、剣の腕が前より強くなったんですよって言いたかったから剣の稽古も誰よりも頑張りました。
でも、どうして戻ってきたのですか…?
私は斎藤先生の切腹は見たくありません。
どうかこのまま誰の目にもつかないところにお逃げください。」
斎藤先生に切腹してほしくない、また会えたのは嬉しかったのだが、どうしてもその感情の方が上まってしまい、私は斎藤先生をどうやったら逃がせるのか必死に考えた。
「杉崎、とりあえず他の隊士に見られたら誤解されるから一回離れてくれ。
そして嬉しいのはわかるし、俺も杉崎にまた会えて嬉しいんだけど、自分のことを私って言ってるから気をつけろ。
そして落ち着いて俺の話を聞いてくれ。」
自分がまさか私といっているとは思わず口を押えながら斎藤先生から離れ、私は斎藤先生の次の言葉を待った。
「俺は脱退したわけでも御陵衛士に加わったわけでもない。
内部から敵情視察していただけだ。
本当は杉崎にもそれを伝えたかったけど、もし伝えたら付いていくって言うだろうって考えたからあえて言わずにここに残すことにした。
何も言わずに去ってしまって本当に申し訳ない。」
斎藤先生が脱退したわけではなかったと知ったとき私は嬉しくて、よかったと思い、それまでこらえていた涙が一気に溢れてきてしまった。
「よく、ご無事でお戻りくださいました。」
もしこの計画を知っていたら私は間違いなくついていくと言って斎藤先生の話を聞かなかっただろう。
今は一緒に過ごせるようになったという気持ちが心を支配しており、私はそれ以上何も言うことができなかった。
「おい、武士なら泣くな…!」
「斎藤先生が戻ってきてくれたのがうれしくて、涙が止まらないんです。」
「あぁ、わかった。
今日だけは好きなだけ泣け!
そして明日からはその涙を見せるな。」
「涙が枯れてしまうまで泣いちゃうかもしれません。」
私は本当に嬉しくて何度も袖で涙を拭きながら答えた。
「杉崎、遅くなってすまない。」
私は他の隊士が見ているかもしれないのに、そんなことお構いなしに斎藤先生に抱きついた。
「ずっと会いたかった…
私、一度も斎藤先生のことを忘れた日はありませんでした。
いつか会える日が来たら、剣の腕が前より強くなったんですよって言いたかったから剣の稽古も誰よりも頑張りました。
でも、どうして戻ってきたのですか…?
私は斎藤先生の切腹は見たくありません。
どうかこのまま誰の目にもつかないところにお逃げください。」
斎藤先生に切腹してほしくない、また会えたのは嬉しかったのだが、どうしてもその感情の方が上まってしまい、私は斎藤先生をどうやったら逃がせるのか必死に考えた。
「杉崎、とりあえず他の隊士に見られたら誤解されるから一回離れてくれ。
そして嬉しいのはわかるし、俺も杉崎にまた会えて嬉しいんだけど、自分のことを私って言ってるから気をつけろ。
そして落ち着いて俺の話を聞いてくれ。」
自分がまさか私といっているとは思わず口を押えながら斎藤先生から離れ、私は斎藤先生の次の言葉を待った。
「俺は脱退したわけでも御陵衛士に加わったわけでもない。
内部から敵情視察していただけだ。
本当は杉崎にもそれを伝えたかったけど、もし伝えたら付いていくって言うだろうって考えたからあえて言わずにここに残すことにした。
何も言わずに去ってしまって本当に申し訳ない。」
斎藤先生が脱退したわけではなかったと知ったとき私は嬉しくて、よかったと思い、それまでこらえていた涙が一気に溢れてきてしまった。
「よく、ご無事でお戻りくださいました。」
もしこの計画を知っていたら私は間違いなくついていくと言って斎藤先生の話を聞かなかっただろう。
今は一緒に過ごせるようになったという気持ちが心を支配しており、私はそれ以上何も言うことができなかった。
「おい、武士なら泣くな…!」
「斎藤先生が戻ってきてくれたのがうれしくて、涙が止まらないんです。」
「あぁ、わかった。
今日だけは好きなだけ泣け!
そして明日からはその涙を見せるな。」
「涙が枯れてしまうまで泣いちゃうかもしれません。」
私は本当に嬉しくて何度も袖で涙を拭きながら答えた。