壬生狼の恋ー時を超えたふたりー
やがて斎藤先生と沖田先生以外誰も生きる屍となった私に興味を持たなくなり、私は新選組の中で忘れ去れらた存在になりつつあった。

「杉崎さん、前みたいにおいしい甘味食べに行きましょうね。

そして三人で一緒に三年坂を歩きましょう。

一君にあの話をして、一君がなんて答えるのか答え合わせをしましょう。」

ひとり縁側にいると沖田先生はよく私の隣に腰を下ろし、私に向かって他愛のない話をしてくれる。

何か話してくれているのはわかるのだが、私はまだ自分の心を取り戻せていなかった。
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