壬生狼の恋ー時を超えたふたりー
「斎藤、杉崎のことなのだが、新選組から離して療養させた方がいいんじゃないか?
もちろんこれは療養であって除隊ではないから杉崎が元に戻ったら今まで通りに新選組の一員として生活することはできる。
もう杉崎が心を壊してからひと月以上経っている。
俺はこの頃杉崎の様子を見ていて、新選組にいる限り血なまぐさいこととは切っても切り離せないからよくならないのじゃないかって。
最近は以前にもまして御陵衛士が活発に動いている。
いつ粛清命令が出るかもわからない以上、俺は杉崎をここにいさせるべきではないと思う。」
土方先生もこう伝えることが斎藤先生を苦しめるということがわかっていたのだろう。
土方先生は言い辛そうに今の気持ちを斎藤先生に告げた。
「副長、俺だってわかっているんです。
ここにいないことが杉崎の幸せなのかもしれないって。
でも杉崎はここ以外居場所がない。
脱藩者が元いたところに戻ったところで家族からは疎まれ、藩主に切腹を命じられるだけです。
杉崎が今頼れるのは俺らしかいない。
でも俺らが杉崎についていくことは現状不可能…
つまり今一縷の希望があったとしても杉崎を新選組から外すことはできない…」
斎藤先生はとても苦しそうに土方先生に自分の心の内を語った。
もちろんこれは療養であって除隊ではないから杉崎が元に戻ったら今まで通りに新選組の一員として生活することはできる。
もう杉崎が心を壊してからひと月以上経っている。
俺はこの頃杉崎の様子を見ていて、新選組にいる限り血なまぐさいこととは切っても切り離せないからよくならないのじゃないかって。
最近は以前にもまして御陵衛士が活発に動いている。
いつ粛清命令が出るかもわからない以上、俺は杉崎をここにいさせるべきではないと思う。」
土方先生もこう伝えることが斎藤先生を苦しめるということがわかっていたのだろう。
土方先生は言い辛そうに今の気持ちを斎藤先生に告げた。
「副長、俺だってわかっているんです。
ここにいないことが杉崎の幸せなのかもしれないって。
でも杉崎はここ以外居場所がない。
脱藩者が元いたところに戻ったところで家族からは疎まれ、藩主に切腹を命じられるだけです。
杉崎が今頼れるのは俺らしかいない。
でも俺らが杉崎についていくことは現状不可能…
つまり今一縷の希望があったとしても杉崎を新選組から外すことはできない…」
斎藤先生はとても苦しそうに土方先生に自分の心の内を語った。