壬生狼の恋ー時を超えたふたりー
ある日、三番隊が非番の日、斎藤先生は私を屯所の外へ連れ出した。
どこに行くわけでもなく京の町をあてもなく歩き、おなかがすいたら近くのお店で食事をし、変わったお店があればそこに入って品物を見たりと、何も語ることなくずっと斎藤先生は私の隣にいた。
「斎藤先生、すみません…
そしてありがとうございます。」
日が暮れようとしているなか、屯所への帰り道で私はこの日初めての言葉を発した。
「いつも隣にいてくれてありがとうございます。」
斎藤先生はその場に立ち止まり、私の手を握りながら答えた。
「愛望、いつも俺のそばにいてくれてありがとう。
愛望は俺にはもったいないくらいいい女だ。
このままふたりで逃げてどこかで暮らすのもいいのだろうけれど、きっと愛望はそんなこと望まないんだろうなぁ。
愛望は誰よりも努力家でいつも自分に厳しく他人にやさしいよ。
もっと自分に優しくなってもいいんだぞ。
俺はいつでも愛望のそばにいる。
頼りないかもしれないけれど俺を頼ってくれ。」
斎藤先生は辛そうに、せつなそうに私にそう告げた。
どうして私の周りにはこんなにもやさしい人が多いのだろう。
ずっと一緒にいたいと思えるほど大好きな斎藤先生、いつもなんだかんだ気にかけてくれて、よく話しかけてくれたり甘味をくれる沖田先生、言葉では厳しいことを言うのに、なんだかんだやさしくしてくれる土方先生。
どうして今まで大切な仲間のことを忘れてしまっていたのだろう…
こんなにも私にやさしく接してくれる大切な仲間のことを。
どこに行くわけでもなく京の町をあてもなく歩き、おなかがすいたら近くのお店で食事をし、変わったお店があればそこに入って品物を見たりと、何も語ることなくずっと斎藤先生は私の隣にいた。
「斎藤先生、すみません…
そしてありがとうございます。」
日が暮れようとしているなか、屯所への帰り道で私はこの日初めての言葉を発した。
「いつも隣にいてくれてありがとうございます。」
斎藤先生はその場に立ち止まり、私の手を握りながら答えた。
「愛望、いつも俺のそばにいてくれてありがとう。
愛望は俺にはもったいないくらいいい女だ。
このままふたりで逃げてどこかで暮らすのもいいのだろうけれど、きっと愛望はそんなこと望まないんだろうなぁ。
愛望は誰よりも努力家でいつも自分に厳しく他人にやさしいよ。
もっと自分に優しくなってもいいんだぞ。
俺はいつでも愛望のそばにいる。
頼りないかもしれないけれど俺を頼ってくれ。」
斎藤先生は辛そうに、せつなそうに私にそう告げた。
どうして私の周りにはこんなにもやさしい人が多いのだろう。
ずっと一緒にいたいと思えるほど大好きな斎藤先生、いつもなんだかんだ気にかけてくれて、よく話しかけてくれたり甘味をくれる沖田先生、言葉では厳しいことを言うのに、なんだかんだやさしくしてくれる土方先生。
どうして今まで大切な仲間のことを忘れてしまっていたのだろう…
こんなにも私にやさしく接してくれる大切な仲間のことを。