シュガー ガール
それでいて、心がホンワカするような幸せを感じる。



家に着くまで後少しだから、陸斗と少しでも喋りたい。



「あの……。今日は……。ありがとう……」
「こちらこそ!すごく楽しかった!」



幸せな時間はあとわずか。

暗い夜道に、カランコロンと下駄の足音のみが響く__



あっという間に私の帰るべき家が見えて来て、悲しい気分になってしまう。



陸斗と2人の空間はあと、わずか。

その時間はあっという間だ。

玄関の前まで送ってくれた陸斗が、形の良い唇を開く。




「今日はありがとう!今日はゆっくりしてな!!」
「こちらこそ、ありがとう……」
「また、来るから!」
「うん……」
「じゃあ、おやすみ!」
「おやすみなさい!!」



陸斗にバイバイすると、玄関の扉を開けて家に入る。

下駄を脱ぎ、靴棚に直して、自分の部屋に向かう。



「楽しい時間……。あっという間だったなぁ……」



♢♢♢
休みはあっという間で、月曜日がやってきた。

何時もなら週の始まりで有る、月曜日はかなり憂鬱で、身体が沈むように重く感じてしまう。



それは、学校に行ってもひとりぼっちという恐怖から、そうなっていたのかも知れない。
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