シュガー ガール
陸斗が差し出した、カラフルなこんぺいとうが入った小さな瓶を受け取る。

それを、バッグの中に入れた。



「これ食べると、緊張も和らぐから…….」
「うん!」
「じゃあ、俺は学校に向かうわ!!」
「うん……」


一緒に学校に通いたかったが、そんな事を、したらからかわれてしまうだろうと思い、陸斗が出てから数分後に家を出た。



通学路は所々に、溢れんばかりの桜の花びらが咲き乱れ散っていて、景色に魅了されながら学校に向かう。



校門には生活指導の先生が、校則違反している生徒のチェックをしていた。



「明日菜!おはよう!」



ふと、聞き慣れた声に名前を呼ばれ、ゆっくり振り返る。

声の主は永遠という男女共に人気のある、綺麗な上にスタイルの良い女の子だ。



永遠は私が緊張しないで喋れる唯一の女の子。


なんでこんな子が、私なんかと仲良くしてくれているのかは分からないけど、あまり深くは考えないようにしている。



「永遠!おはよう!」
「いよいよ、中学生活スタートだね!」
「うん!そうだね!永遠と一緒のクラスになれたら嬉しいんだけどな……」
「あ!クラス分けの張り紙見に行こう!!」


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