シュガー ガール
チョコレートを作るのは、久しぶり。



恥ずかしいけど、本命チョコを作ろうて考え気合いを入れてキッチンに立った。



ハート型のマーブルチョコが出来て、明日に備えてベッドに横になる。



「陸斗喜んでくれるかな……」



♢♢♢
バレンタイン当日。

今日は、陸斗と2人で会いたいから友達との約束は入れていない。

と、いうか。やはり、特別な日だからだろうか。誘われる事も無かったと言った方が正しい。



学校から帰ると、しっかり固まったチョコレートを可愛くラッピングする。

我ながら上手く出来たと言いたくなるような出来栄えに、表情がゆるんでしまう。



「陸斗……。喜んでくれるかな……?」



嬉しそうな表情で、私が作ったチョコを受け取る陸斗を想像しただけで幸せを感じる事が出来る。



ラッピングしたチョコを袋に入れて、家から出た瞬間、時間が止まってしまう。



ここからでもしっかりと見える。陸斗の家のインターフォンにてを伸ばしているのは、間違いなく夢だ。



なんだぁ。

チョコレートを欲しがっていたのは、ただのノリで、皆に同じ事を言っていたのかも知れない__
< 56 / 191 >

この作品をシェア

pagetop