シュガー ガール
静寂の空間が訪れる。



夏海が帰ってくるまでと思い、無言の空間に身を置いたが、何時までたっても帰ってこない。



「夏海さ……。俺達の事わざと2人っきりにしたと思うよ……」
「えっ?そなの?」


その理由は、私が陸斗の事が好きだから__

気を使ってくれるのは嬉しいけど、陸斗に迷惑を掛けているみたいで落ち着かない。



「うん……」


やばい。陸斗に迷惑を掛けている。



「わ、私。飲み物とってくるね……」



そう言って、部屋を出ようとした瞬間に腕を引っ張れた。


ドキン__


手と手が触れただけで高鳴る心音を、今は邪魔に感じてしまう。


わたしの気持ちが陸斗にバレそうな気がして、怖くて仕方がない。



「どうしたの?」
「ちょっと……。話がある……」
「話?」



どうしよう。どうしよう。
私の気持ちがバレたと思って焦った瞬間だった。


「俺、明日菜の事が好きだよ。今は、返事は要らない。て、事で俺は先に帰るよ…….」



嘘みたいなセリフ。


でも、いつむならすました顔の表情の陸斗から焦りの色が伝わる。


何より、顔が真っ赤な陸斗。


陸斗のこんな顔を見るのは初めてだ。

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