シュガー ガール
可哀想な人間__



気が付いたら、そんな目で未知をみている私が存在した。


HRが始まり、1時間目が始まる。

50分過ぎたら、10分の休憩が始まって、その繰り返し。


休み時間になれば、夏海と夢の教室に逃げてお喋り。


誰も友達が居なかった過去を考えたら、随分とマシだと思える。


いじめられていたからこそ、今の状況に少しは耐える事が出来るのかも知れない。



休み時間だからと言って、毎回夏海と夢の教室に逃げる事は無理だ。


例えば移動教室なんかの時は、休み時間を利用して違う教室に向かわなければならない。



次の授業は音楽。


前の苦い経験を思い出しながら、音楽室に向かい歩く。


音楽の授業は、各自が好きな席に座って授業を受けるからひとりぼっちになってしまう確率が高い。


ひとり浮くのは恥ずかしいし、寂しいけど、私には信用出来る友達が居る。



それに、陸斗だって。


私は完全に1人なわけじゃない。

そう思うだけで、心がポカポカして暖かい気持ちになれるんだ__



音楽室の扉が見えて中に入ると、先に着いた生徒達が仲の良い友達同士で同じ席に座っていた。


この雰囲気が苦手。
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