チョコ4つと意趣返し ~12年目の恋物語 番外編(3)~
私をネタのランチタイムの終盤、不意に陽菜が、
「しーちゃん、亜矢ちゃん、梨乃ちゃん、ごめんね。この後、私、先に帰るね」
と言った。
「え、疲れた? 大丈夫!?」
驚いてデザートを食べる手を止めると、陽菜は違う違うと首を左右に振り、
「大丈夫だよ。ただ、あのね、元気な内に帰ろうと思って」
と申し訳なさそうに言った。
「あー、確かに、昼からのが混むしね」
「今でも結構、すごい人だもんね」
そう。叶太くんからのメールにも書いてあったけど、早めにお店に入って本当に良かったと思うくらいには、人がどんどん増えている。
「じゃ、私、送るよ。電車の線、同じだよね?」
お目当てのチョコは買い終わったし、ランチも楽しんだ。夕方までのつもりで出てきたけど、こだわるつもりはない。
「ううん。大丈夫。車なの」
「迎えに来てくれるの?」
「うん……と言うか、実はおばあちゃんと沙代さんが一緒に車で来てて、今、別でお買い物してるの」
想像もしてなかった答えに、思わず目が点。
ああ、だけど納得。だから、あんなにすんなり叶太くんが引き下がったんだ。
「そっかそっか。……うん。だったら安心だね」
「ん。ごめんね」
そう言う陽菜は、申し訳なさそうというか、恥ずかしそうというか、なんだかとっても困った表情をしていた。
理由がある過保護とは言え、きっと陽菜は、私たち三人が自分一人で来ているのにって思ってる。そんなの気にする事ないのに。
「また遊ぼうね」
隣に座っているのを良いことに、思わず抱きしめると、向かい側から身を乗り出して来た亜矢が、陽菜の頭をよしよしとなでた。
梨乃はそんな私たちを見守り、
「今度はもっと人が少ない静かなところに行こうね」
とプーアル茶の入った茶碗を掲げてニッコリ笑った。
☆ ☆ ☆
「しーちゃん、亜矢ちゃん、梨乃ちゃん、ごめんね。この後、私、先に帰るね」
と言った。
「え、疲れた? 大丈夫!?」
驚いてデザートを食べる手を止めると、陽菜は違う違うと首を左右に振り、
「大丈夫だよ。ただ、あのね、元気な内に帰ろうと思って」
と申し訳なさそうに言った。
「あー、確かに、昼からのが混むしね」
「今でも結構、すごい人だもんね」
そう。叶太くんからのメールにも書いてあったけど、早めにお店に入って本当に良かったと思うくらいには、人がどんどん増えている。
「じゃ、私、送るよ。電車の線、同じだよね?」
お目当てのチョコは買い終わったし、ランチも楽しんだ。夕方までのつもりで出てきたけど、こだわるつもりはない。
「ううん。大丈夫。車なの」
「迎えに来てくれるの?」
「うん……と言うか、実はおばあちゃんと沙代さんが一緒に車で来てて、今、別でお買い物してるの」
想像もしてなかった答えに、思わず目が点。
ああ、だけど納得。だから、あんなにすんなり叶太くんが引き下がったんだ。
「そっかそっか。……うん。だったら安心だね」
「ん。ごめんね」
そう言う陽菜は、申し訳なさそうというか、恥ずかしそうというか、なんだかとっても困った表情をしていた。
理由がある過保護とは言え、きっと陽菜は、私たち三人が自分一人で来ているのにって思ってる。そんなの気にする事ないのに。
「また遊ぼうね」
隣に座っているのを良いことに、思わず抱きしめると、向かい側から身を乗り出して来た亜矢が、陽菜の頭をよしよしとなでた。
梨乃はそんな私たちを見守り、
「今度はもっと人が少ない静かなところに行こうね」
とプーアル茶の入った茶碗を掲げてニッコリ笑った。
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