望まない結婚なので、3年以内に離婚しましょう。
第三話 触れ合えば変わる
その日以降、郁也さんとはまた顔を合わせない日々が続いていた。
少しも悪いと思っていないのか、彼から謝罪のメッセージすらない。
私は何も間違ったことは言っていないため、謝るつもりはないし、またいつも通り冷めた生活が続くだけだ。
「朱莉ちゃん、今日もありがとうね。お疲れ様」
「はい!お疲れ様です」
今日もアルバイトに入っていた私は、終了時間になり、慎二さんや他のメンバーに挨拶をしてから店を出る。
11月も終わりに近づく今の時期は、夜になると気温はグッと下がり、そろそろ防寒具が欲しくなってくる頃だ。
街頭を頼りに駅へと目指して夜道を歩く。
朝早くに起きて郁也さんのお弁当を作り、大学に行って講義を受け、一度家に帰って郁也さんの夜ご飯を作り、アルバイトへ行くというハードスケジュールは中々慣れそうにない。
お腹が空いているけれど、それよりもお風呂に入って早く寝たい。
幸い、明日は休日のため、朝早く起きて郁也さんのお弁当を作らなくていい。
朝ご飯を作ったら二度寝でもしようかと思い、いつもより歩くスピードを速めて家へと急いだ。