望まない結婚なので、3年以内に離婚しましょう。
「メッセージ……?」
その時に、お母さんから新着のメッセージが届いていたことに気がついた。
「え……嘘」
内容は信じられないもので、思わず驚きの声がもれてしまう。
【二人が仲良く暮らせているのか気になったので、明日京子さんと一緒に家に行くわね。】
京子さんとは郁也さんのお母さんの名前だ。
つまり、明日……両方の母親が家に来るということ!?
驚きのあまり泣きたい気持ちが一瞬で消え、今度は焦りを覚える。
私には予定が入っていないため大丈夫だけれど、郁也さんはわからない。
もし何か予定を入れていて、休日に一緒に過ごしていないことがバレたら怪しまれる恐れがある。
「どうしよう」
何とかしてお母さんたちが来るのを阻止できないか、考えを巡らせていると、玄関先からドアの開く音が聞こえてきた。
郁也さんが帰ってきたようで、ある意味タイミングが良い。
今日は仕方なく私から声をかけようと思い、地下へ行ってしまう前に彼を呼び止めようと閉めていたリビングの扉に手をかけた時だった。
私が扉を開ける前に向こう側にいる彼が扉を開け、驚いた私は「わっ」と声が出てしまった。