望まない結婚なので、3年以内に離婚しましょう。


 彩りを考えて緑を取り入れたいと思い、ワカメを水に戻して板ずりしたきゅうりを切る。

 その二つを酢で和え、砂糖を加えて味を整えたら酢の物の完成だ。


 最後に昨晩準備しておいたきんぴらごぼうの入った容器を冷蔵庫から取り出す。

 レンジで温めた後、きんぴらごぼうをアルミのお弁当カップに入れ、それを郁也さんの分と私の分で、合計二つ用意した。


 それをお弁当箱に詰めて……うん、やっぱり郁也さんのお弁当箱は埋まらなかった。

 一つ一つのおかず量を増やしたいところだけれど、楽をするのはもう少し日が経ってからの方が良い。


 炒めたエリンギに焼いたベーコンを巻き、爪楊枝で刺す。

 味付けは定番の塩胡椒。
 それでも隙間が埋まらなければ、最終手段のミニトマトだ。

 赤みも加わり、彩り豊かなお弁当の完成である。
 今日も手の込んだものができた気がする。


「これ、毎日全部食べてくれてるのかな」


 完成したお弁当を見て、ふと呟いた。

 男の人はたくさん食べるとは思うけれど、量が多いだとか口に合わないとか言って捨てられていたら……と思うと、毎朝の努力を踏み躙られている気がして腹が立つ。


 さすがに「毎日食べているのか」と聞くのも面倒だし、食べてくれると信じて今度は朝食作りに移る。

 今日はサンドイッチしようと決めていて、早速サンドイッチに挟む具材を準備した。


 定番のきゅうりとハム、ツナマヨなど、3種類のサンドイッチを用意する。

 料理を終え、キッチンの壁にある時計を確認すると短針が6時を指そうとしていた。

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