変りたい自分
「あの、歩楓さんの事が一年生の事から好きでした。付き合ってくれませんか?」
夕日がきれいに見える屋上で私、大松歩楓(おおまつほのか)は告白をされていた。
二年生になって何回目かもう数えるのが面倒くさくなっている。
話をしたことがないのに、なんで告白しようともうのかな?
私は話したこともない人に、告白するのが不思議だと思っているが、彼らはそんなことを考えないのが、私にはよくわからなかった。
「ごめんなさい。私、恋愛に興味がないの」
毎回言う事は同じだ。
そして大体は逆切れをするか、「試しで付き合ってみない?」と言ってくる人が多い。
試しって何? 恋愛に試しなんてあるの?
友達から始めるならまだわかるけど、試しで付き合ったからってなにもないのに。
今回の彼は、何も言わずに受け入れて帰っていくが、私の中でこの後何かされるのではないか? という考えはなかった。
今日の人はすぐに終わったなぁ。
私は教室に向かっている時に、この後はどうしようかかと考えていた。
この時間なら帰ったらすぐ晩御飯だろうし、学校に居ても何もすることないから、帰ろうかな?
私は一人で家に帰った。
中学から友達ができることがなく、一緒にいてくれるのはクラスが離れた親友の柿沢咲來(かきざわさき)だけだった。
朝は一緒に登校しているが、放課後は帰る時間が合わない。
彼女は部活をしており、終わる時間までいる時もあれば早く帰るときもあるので、放課後は下足室で会えれば一緒に帰っている。
早く咲來に会いたいな。
そんな思いをしながら私は寝ていった。
私は一人で家に帰った。
矢部君に話しかけられてから2か月がたった夏の日の放課後、私は担任の先生に呼ばれて職員室にいた。
「最近の学校はどうだ、大松。先生が見かけるたびに一人でいるが、いじめられていないか? 俺で良かったら話を聞くし、学校が来るのがしんどいなら保健室に行ってもいいからな」
私は一人でいることが好きなのに、担任は心配をしているが、それは保護者に言われてもいいように声だけは掛けていようと、ほとんどの先生がそうなのだと認識をしている。
先生には心配している姿勢が必要だろうけど、この会話は一家でいいと思うのだけど、それでも仕事なのだろうけど。
「それだけでしたら、失礼します」
出ていくことに担任は止めることなく、見ているだけだった。
止めることないんだったら、呼び出さなければいいのに。
そんなことを考えながら、私は教室に向かって歩いていた。
教室のドアが開いているのが不思議に思ったが気にせず入ろうとした時、夏の夕日の光が教室に差し込んで絵になるようだった。
窓側の後ろに座っている男子生徒も絵になる一部となっていた。
夕日がまぶしすぎて誰が座っているか分からないけど、何かを考えているのか分からないから、気づかれないように出ていこう。
物音が立たないように荷物を取ったが、移動しようとした時、机にぶつかり引きずる音が鳴った。
「大松さん?」
呼ばれた声に私は聞き覚えがあった。
「その声は矢部さんですか?」
顔がハッキリ見えていない私は確認のために、質問で返した。
「そうだよ。大松さんはどうしてこんな時間まで残っているの?」
私は帰ろうとしていたカバンを机に置き、矢部君の近くの席に座った。
「先生に呼ばれていて、さっきまで職員室にいたんです」
なんで私は何を馬鹿正直に答えているのかな?
いつもと雰囲気が違う矢部君に、私はいつもの態度が取れず、素直に話している自分が何を言うか怖かった。
「呼び出されていた理由聞いてもいいかな? 何かに困っているなら、助けられるかもしれないし」
そう話す矢部君はいつもクラスの人に接する姿に戻っていた。
さっき見た悲しそうな姿は、気のせいだったのかな?
「先生が見る時、毎回一人でいるので心配して呼び出されただけです。さ……他に何かありますか?」
教室に入ってきたときの矢部君の何かを考えている姿が気になったが、触れると消えていきそうだったので、聞かなかった。
矢部君は話してくれたことが嬉しかったのか、いつもの倍笑顔になっていた。
「何もないなら、私帰りますが……」
荷物を取るために立って、カバンを取ろうとすると矢部君が立った。
「俺もっと大松さんと話したいんだけど、時間なにかな? 大松さんの好きなものとか知りたいし」
少し紛争な顔をしていってくる姿が、捨て犬が離れるのを拒むような姿に見えて、私は帰ることができなかった。
あんな顔をされたら見捨てることなんて、できないよ。
話すと言っても何を話すのか、全く分からない上に、矢部君自体の事も知らなかった。
「何から話そうかな? お互いの事よく分からないし、自己紹介からでもする?」
自己紹介って、入学式の日にクラス全員がしたのにまたするの?
また同じことを言わないといけないのが面倒くさく、カバンを持った時に帰ればよかったと、後悔していた。
何を話したか思い出している時に、矢部君が話し始めた。
「俺からするね! 俺は矢部君樹。部活はサッカー部で趣味はサッカー。勉強に関しては普通かな。よくも悪くもない。あとは兄弟は兄と弟がいるぐらいかな。他に聞きたいことない?」
矢部君に興味がなかった私は、聞きたい事なんて思いつかないと思っていたが、教室に入った時の姿が頭の中を過った。
これ以外に何か質問ないしな、どうしよう。
矢部君はどんな質問が来るのかとそわそわとした、態度で待っていた。
「サッカーって何年ぐらいからやっているのですか?」
考えに考えた答えがその質問しか出なった。
案だけ考えてこの質問って、もう少し良いのがあったんじゃないの私。
出た質問に自分でもどうかと思うぐらいの、何処にでもある質問だった。
「小学生の時からやっているから今年で十年ぐらいかな」
矢部君は私の質問に笑顔で答えてくれた。
「何かきっかけがあるのですか?」
そのまま流してもいいと思ったけど、十年もするほど何がいいのか私は気になった。
「兄がサッカー部でその姿にあこがれて、俺もなりたいって思ったんだ。それからずっとサッカーしてるんだ」
矢部君が話す姿に私は兄弟っていいなと思い始めた。
「俺のことはもういいから、次大松さん番」
もっと聞いて自分の番をなかったことにしょうとしていたが、矢部君が忘れていなかったので、私の番が回ってきた。
「わたりました。私は大松歩楓です。部活は何もしていません。趣味は絵を描くことですね。勉強は普通です。一人っ子なので兄弟には憧れます」
矢部君より話すことがない私は、何を話せばいいのかわからなかったので、矢部君が話したことと同じことを話した。
自己紹介しても何も分からないのに、こんなことして意味があると私は思えないけど矢部君さんは違うのかな?
「一人っ子なんだ。大松さんは妹がいると思ってたんだけどなぁ~」
家族の話をして矢部君は広げてくれようとしているが、私が家族の話題になると下を向き始めたので、話は広がらなかった。
「家族の事話したくないなら、無理して話さなくていいからね。俺強引な所があるから、嫌な事はちゃんと言ってもらわないと分かんないから」
矢部君さんって意外に優しいのですね。
矢部君のやさしさに私は「咲來以外の友達ができるのでは!」と少し期待をしている。
「俺、大松さんと話せてよかったって思うよ。普段はなんで話してくれないのか、分からないけどこうやって話してくれるだけでもうれしよ。今日、残っててよかったって思えるよ。ありがとう」
お礼を言われるなんていつぶりだろ?
こんなに話すなんて思わなかったけど、悪い気はしなかったなぁ。
夕日がきれいに見える屋上で私、大松歩楓(おおまつほのか)は告白をされていた。
二年生になって何回目かもう数えるのが面倒くさくなっている。
話をしたことがないのに、なんで告白しようともうのかな?
私は話したこともない人に、告白するのが不思議だと思っているが、彼らはそんなことを考えないのが、私にはよくわからなかった。
「ごめんなさい。私、恋愛に興味がないの」
毎回言う事は同じだ。
そして大体は逆切れをするか、「試しで付き合ってみない?」と言ってくる人が多い。
試しって何? 恋愛に試しなんてあるの?
友達から始めるならまだわかるけど、試しで付き合ったからってなにもないのに。
今回の彼は、何も言わずに受け入れて帰っていくが、私の中でこの後何かされるのではないか? という考えはなかった。
今日の人はすぐに終わったなぁ。
私は教室に向かっている時に、この後はどうしようかかと考えていた。
この時間なら帰ったらすぐ晩御飯だろうし、学校に居ても何もすることないから、帰ろうかな?
私は一人で家に帰った。
中学から友達ができることがなく、一緒にいてくれるのはクラスが離れた親友の柿沢咲來(かきざわさき)だけだった。
朝は一緒に登校しているが、放課後は帰る時間が合わない。
彼女は部活をしており、終わる時間までいる時もあれば早く帰るときもあるので、放課後は下足室で会えれば一緒に帰っている。
早く咲來に会いたいな。
そんな思いをしながら私は寝ていった。
私は一人で家に帰った。
矢部君に話しかけられてから2か月がたった夏の日の放課後、私は担任の先生に呼ばれて職員室にいた。
「最近の学校はどうだ、大松。先生が見かけるたびに一人でいるが、いじめられていないか? 俺で良かったら話を聞くし、学校が来るのがしんどいなら保健室に行ってもいいからな」
私は一人でいることが好きなのに、担任は心配をしているが、それは保護者に言われてもいいように声だけは掛けていようと、ほとんどの先生がそうなのだと認識をしている。
先生には心配している姿勢が必要だろうけど、この会話は一家でいいと思うのだけど、それでも仕事なのだろうけど。
「それだけでしたら、失礼します」
出ていくことに担任は止めることなく、見ているだけだった。
止めることないんだったら、呼び出さなければいいのに。
そんなことを考えながら、私は教室に向かって歩いていた。
教室のドアが開いているのが不思議に思ったが気にせず入ろうとした時、夏の夕日の光が教室に差し込んで絵になるようだった。
窓側の後ろに座っている男子生徒も絵になる一部となっていた。
夕日がまぶしすぎて誰が座っているか分からないけど、何かを考えているのか分からないから、気づかれないように出ていこう。
物音が立たないように荷物を取ったが、移動しようとした時、机にぶつかり引きずる音が鳴った。
「大松さん?」
呼ばれた声に私は聞き覚えがあった。
「その声は矢部さんですか?」
顔がハッキリ見えていない私は確認のために、質問で返した。
「そうだよ。大松さんはどうしてこんな時間まで残っているの?」
私は帰ろうとしていたカバンを机に置き、矢部君の近くの席に座った。
「先生に呼ばれていて、さっきまで職員室にいたんです」
なんで私は何を馬鹿正直に答えているのかな?
いつもと雰囲気が違う矢部君に、私はいつもの態度が取れず、素直に話している自分が何を言うか怖かった。
「呼び出されていた理由聞いてもいいかな? 何かに困っているなら、助けられるかもしれないし」
そう話す矢部君はいつもクラスの人に接する姿に戻っていた。
さっき見た悲しそうな姿は、気のせいだったのかな?
「先生が見る時、毎回一人でいるので心配して呼び出されただけです。さ……他に何かありますか?」
教室に入ってきたときの矢部君の何かを考えている姿が気になったが、触れると消えていきそうだったので、聞かなかった。
矢部君は話してくれたことが嬉しかったのか、いつもの倍笑顔になっていた。
「何もないなら、私帰りますが……」
荷物を取るために立って、カバンを取ろうとすると矢部君が立った。
「俺もっと大松さんと話したいんだけど、時間なにかな? 大松さんの好きなものとか知りたいし」
少し紛争な顔をしていってくる姿が、捨て犬が離れるのを拒むような姿に見えて、私は帰ることができなかった。
あんな顔をされたら見捨てることなんて、できないよ。
話すと言っても何を話すのか、全く分からない上に、矢部君自体の事も知らなかった。
「何から話そうかな? お互いの事よく分からないし、自己紹介からでもする?」
自己紹介って、入学式の日にクラス全員がしたのにまたするの?
また同じことを言わないといけないのが面倒くさく、カバンを持った時に帰ればよかったと、後悔していた。
何を話したか思い出している時に、矢部君が話し始めた。
「俺からするね! 俺は矢部君樹。部活はサッカー部で趣味はサッカー。勉強に関しては普通かな。よくも悪くもない。あとは兄弟は兄と弟がいるぐらいかな。他に聞きたいことない?」
矢部君に興味がなかった私は、聞きたい事なんて思いつかないと思っていたが、教室に入った時の姿が頭の中を過った。
これ以外に何か質問ないしな、どうしよう。
矢部君はどんな質問が来るのかとそわそわとした、態度で待っていた。
「サッカーって何年ぐらいからやっているのですか?」
考えに考えた答えがその質問しか出なった。
案だけ考えてこの質問って、もう少し良いのがあったんじゃないの私。
出た質問に自分でもどうかと思うぐらいの、何処にでもある質問だった。
「小学生の時からやっているから今年で十年ぐらいかな」
矢部君は私の質問に笑顔で答えてくれた。
「何かきっかけがあるのですか?」
そのまま流してもいいと思ったけど、十年もするほど何がいいのか私は気になった。
「兄がサッカー部でその姿にあこがれて、俺もなりたいって思ったんだ。それからずっとサッカーしてるんだ」
矢部君が話す姿に私は兄弟っていいなと思い始めた。
「俺のことはもういいから、次大松さん番」
もっと聞いて自分の番をなかったことにしょうとしていたが、矢部君が忘れていなかったので、私の番が回ってきた。
「わたりました。私は大松歩楓です。部活は何もしていません。趣味は絵を描くことですね。勉強は普通です。一人っ子なので兄弟には憧れます」
矢部君より話すことがない私は、何を話せばいいのかわからなかったので、矢部君が話したことと同じことを話した。
自己紹介しても何も分からないのに、こんなことして意味があると私は思えないけど矢部君さんは違うのかな?
「一人っ子なんだ。大松さんは妹がいると思ってたんだけどなぁ~」
家族の話をして矢部君は広げてくれようとしているが、私が家族の話題になると下を向き始めたので、話は広がらなかった。
「家族の事話したくないなら、無理して話さなくていいからね。俺強引な所があるから、嫌な事はちゃんと言ってもらわないと分かんないから」
矢部君さんって意外に優しいのですね。
矢部君のやさしさに私は「咲來以外の友達ができるのでは!」と少し期待をしている。
「俺、大松さんと話せてよかったって思うよ。普段はなんで話してくれないのか、分からないけどこうやって話してくれるだけでもうれしよ。今日、残っててよかったって思えるよ。ありがとう」
お礼を言われるなんていつぶりだろ?
こんなに話すなんて思わなかったけど、悪い気はしなかったなぁ。
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