変りたい自分
 目を覚ましたのは保健室のベッドの上だった。
 視界には咲來と矢部君がいるのが分かったが、起き上がろうとすると頭痛を感じた。
「無理に起きなくていいよ」
 さきが泣きそうな顔で言っているので起きるのはあきらめた。
「俺、先生呼んで来る」
 保健室の扉を思いっきり開けていった。
「歩楓、頭以外に痛いところとかある?」
 起きた時のおなかに遺体を感じた。
「おなかが少し痛いかな。でも大したことないよ」
 心配させたくないと思っているのもだが、本当に大したことないと思っている。
「大したことなくないよ。おれていたりしてたら危ないから病院は行こ?」
咲來が泣きそうに言っているので聞くしかなかった。
「わかった」
 先生が入ってきたタイミングで咲來に病院に行くことを言われたので、
「それなら俺の車で乗せてってやる。その前にどこに痣がある確認しろ。俺と矢部君は外で待っているから確認が終わったら校門に来い」
 先生が入っきたタイミングで咲來に病院に行くことを言われたがどっちろ先生も連れていくつもりだったらしい。
「りょうか~い」
「歩楓、少し見ていいかな?」
咲來にほかのところもケガしていないか見てもらった。
「背中は確認してほしいからお願い。おなかのほうは私でもわかるから」
 おなかのほうを見ても特に何もなかった。
 殴られているなら明日にでも後に会っているだろう。
「わかった」
 咲來が見た時に背中も赤くなっていたり、靴の跡がついたりしていたらしい。
「じゃ先生のところ行こうか」
 校門まで生き先生の車に乗って病院に向かった。
 助手席に矢部君君も乗っていたが、黙ったままだった。
「矢部君、さっきから何も話さないけど乗り物酔いでもした?」
 矢部は車に乗ってからなにも話していない。
「酔ってない。大松さんごめんね。しっかり見るって言っていたのに」
 自分画れていなかったことを反省している。
「大丈夫ですよ。それに矢部君さんのせいではないので」
 矢部君のせいではなく私がもっときおつければよかったことなので自業自得だと思うが矢部君に行っても意味はないかもしれない。
「矢部君は気にしすぎよ。先生みたいにだらしないところも見習わないと」
 咲來が私が考えることを代弁してくれた。
「誰がだらしないだ。お前だけおろすぞ柿沢」
 車の中の府インキが少しだけ明るくなった。
「本当のことじゃん」
 騒いでいる間に病院に着いた。
 病院で見えもらったが頭に異常もなく骨もおれていなかったので安心した。
(いつも保健所持っててよかった)
 いつもカバンの中に入れているので何何かあった時は心配ないと思っていたが、本当に屋君立つとは思っていなかった。
 それに保健所のためだけにあの人たちに会いたくない。
「このまま送っててやるが、大松だけだぞ」
 私だけって言っているところが私だけでも面倒くさそうだった。
「先生のけち。送ってくれてもいいじゃん」
 咲來も家が近いのであまり変わらない気がするが、何が違うのだろうと思った。
「送ってお駅までだ」
 駅のほうに言えば咲來の家は遠くなる。
「まぁ私は歩楓の家の近くだから歩いていくけど」
「それなら咲來の家のほう通ったほうが近いから、行けるんじゃない?」
「大松までそんなこと言うのかよ。仕方ない、今日だけだぞ」
 私が言うと先生は、そんなこと言わないと思われていたのか?
「やったー」
 咲來の家に行ってから私の家の前でおろしてくれた。
 矢部君はここから歩くと言っていたが、先生が駅まで送るというので私を下すと駅のほうへと車で行った。
 自分の部屋に入ると、今まで起きた子尾を思い出して私は学校に行くのが怖かった。
 もし明日も家の前でいたらと思うと今日しかなく部屋から出ることはできるんかと悩んでいた。
 次の日。
 部屋から出ることはできたが、女子が家の前に立っており家から出ることができなかった。
 咲來がチャイムを鳴らすが出ていくことがでいなかったが、あの人が家に入れた。
「歩楓ちゃん。咲來ちゃん来てくれているけど、上がってもらう」
 話したくはなかったが、今私は外に出ることができなかったので、上がってもうことを頼んだ。
「歩楓大丈夫? 一応追い払ったけど、今日は学校行くのやめとく?」
 今日も彼女は来ていた。
 昨日のことでは彼女たちが終わることがないとわかった。
「そうする。明日は行けるようにする」
 さすがに怖くて行けなかった。
「わかった。じゃ宿題とかノートのことは任せて」
 咲來が外に出たので窓から手を振って送った。
 そのあとは自分の部屋にこもった。
 継母と話すことは嫌だが、お昼を食べないわけにはいかないのでリビングに降りた。
「お昼、チャーハンだけどいいかな?」
 継母と一緒にいる方がましと思ったが、あまり話したくなかった。
「なんでもいい」
 私は継母が父に言っているのではないかと思ったが、どう伝わろうが父とは話さないので関係ないかと思った。
「お父さんには歩楓ちゃんが今日、学校に行ってないことは伝えてないよ」
 その言葉に少し驚いた。
 いつもならすぐに何かあらば父を頼っていると思っていたが、父に内緒にすることなんてあるのだと初めて知った。
「それに昨日、先生に送ってもらっれていたことも知ってるよ。何がったか今は話したくないだろうから、聞かないけど話したかったらいつでも聞くから」
 そういう継母はどこかお母さんを感じるところがった。
 甘えそうになったが、今までの態度を振り返ると今更甘えるなんてことができないので、本心を隠すようにチャーハンをもって部屋に戻った。
 その時の継母の顔は少し寂しそうにしていたのが見えたので、心が痛くなった。
 夕方になると咲來がノートと宿題を持ってきてくれた。
「ノートありがとう。咲來の友達がとってくれたんだよね? 明日お礼言わなきゃ」
 さすがに明日はと思っているが明日の状況による。
「それに私の友達じゃなくて、矢部がとったんだ」
 矢部君がとったと思っていなかったので私は驚いた。
 でもうれしくも思った。
「なんで矢部君が!?」
 咲來が頼んだのかと思った。
「私が行ったときに休みか聞かれて、あいつがノート撮るって申し出た」
 申し訳ないな。
 明日あいけるようにしよう。
「そうなんだ、後で連絡しよ。そういえば今日部活は?」
 咲來はいつも部活をしている時間だったので気になった。
「歩楓の様子が気になって、帰ってきちゃった」
 そう話す歩楓の顔は少し違和感がった。
「学校で何かされてない?」
 学校に行っていないので、咲來がどんな状況になっているのかわからない。
「何もされてないよ」
 明らかなに何かを隠しているのが分かったが、これ以上踏み込んで咲來と離れることになるのは嫌だ。
 だけど、私は踏み込むことにした。
「本当のこと言ってほいい」
 咲來は言いにくそうにしていた。
 継母がその様子を見ていた。
「話長くなりそうなら、咲來ちゃんに入ってもらったら? 座って話した方が足も疲れないよ。それにお茶ぐらいは出すから落ち着いてはなしなさい」
 継母に言われるまでそのことまで当たアが回らなかった。
 私が行かないから。
「そうだね。咲來入って」
 リビングで話をすることになった。


 継母はお茶を用意していた。
 その間、咲來は何も話してくれなかった。
「はい、お茶。私邪魔ならどこかに行くけど」
 継母は気を使ってくれた。
「いてくれないかな? 私じゃ咲來の話聞けないかもだから」
 継母に頼りたくないと思っているが、頼れる人がいないので頼ることにした。
「歩楓に話せないわけじゃ……ないんだけど」
 咲來が話しにくそうにしているので、継母にこんなこと頼みたくないが人がいないので仕方がないと思った。
「あの、咲來の話聞いてくれませんか? 話が終わるまで私は部屋にいるので」
 継母の返事を待たず私は部屋に言った。
 咲來は継母に話しているのか全く分からないけど、呼ばれるまで何もしないでおこうと思い、咲來が持ってきた宿題をすることにした。
 宿題をして終わるころぐらいに呼ばれた。
 リビングに向かうと咲來が泣いていた。
 私はどういう状況なのかつかめなかった。
「どういう状況?」
 なんでこんなことになったのかもわからないが、誰が悪いとか今は関係な。
「咲來ちゃんが出ようとしていたコンクールに出れなくなったみたいなの」
 継母が先が泣いている理由を話してくれた。
「それって!?」
 それを聞いたとき私の頭に思い浮かんだのは彼女の母親が浮かんだ。
「そうあの女の母親がやったみたい。先生も困っているみたいだったから」
 咲來が話してくれた。
 私は話を聞くことしかできなかった。
 それにあの人たちがそこまでやるとは思っていなかった。
「ソロのコンクールってこの近くでやるホールのことよね?」
 継母が話に入ってきた。
 咲來は継母が聞いたことに対してうなずいた。
「それならなんとかできるかもしれないわ。少し待ってて」
 そういって継母は電話をかけだした。
 私と咲來は何をするのだろうと電話をしている継母を見ていた。
 電話を終わらせて継母は私たちのほうを見て親指を立てた。
「咲來ちゃんソロコンクールでれるって!」
 私は驚いた。
 咲來は嬉しそうに泣いて継母にお礼を言っていた。
 継母が何をしたのか気になったが今は咲來が出れるようになったことを素直に喜ぶことにした。
 咲來の真仁田も落ち着き、お茶を飲んだ後咲來は帰っていった。
 玄関で私は継母を引きとめた。
「あの、咲來のことありがとうございます」
 そういうと継母は嬉しそうにしてくれた。
 普段なら話すこともないが、今は咲來がコンクールに出れることになったのがうれしかった。
「私は何もしてないよ。知り合いに少し聞いただけだし、歩楓ちゃんの力になりたいってずっと思っていたから」
 そういう継母の後ろに私が好きだった母親が見えた気がした。
 そのあとは継母と話すことが少し増えた。
 それでもまだ完全に許したわけでもないが、前よりは仲良くなっていると思う。
 次の日。
 私は学校に行く支度をして、窓から外を見ると私のほうをにらんでいる女子がいた。
 その女子を見ると私は外に出るのが怖くなった。
 昨日のこともあるので咲來が来る前に家を出ようと思ったが、体が学校に行くことを拒否している。
 窓から離れ無理やり玄関まで来たが、玄関から先に足を出すことができなかった。
 玄関でうずくまっている家のチャイムが鳴った。
 継母が中に入るよう言ったのだろう、目の前のドアが開いた。
「おはよう、歩楓って朝から何しているの? 玄関で」
 咲來の顔を見ると少し安心したが、その後ろに睨んでいた女子がいたので、咲來を中に入れドアを思いっきり閉めた。
 咲來は驚いた顔をしている。
「ごめん。にらまれてたから反射的に」
 咲來には見えていなかったので、私の行動が変度と思ったかもしれない。
「もしかしてまだいた? さっき追い払ったんだけど」
 そういったがしぶとい奴だと思ってしまった。
「多分行くときにドアが開いたからだと思う」
 そのことを普通に話しているが怖くて私の体は震えていた。
「そっか、今日もいけない?」
 本当は行こうとしたが、窓から見ていても怖くて行けなかった。
「うん。無理っぽい。体が拒否しているから無理。せっかく征服まで着れたのに」
 っ見ないで行く方法とかが考えた方がいいかなとか思ったりしているが、何もいい案が思いつかない。
「もしかしてそれで玄関にいたの?」
 咲來はなんで私が玄関にいるのが不思議だったらしい。
「頑張っていこうと思って無理やり玄関まで来たんだけど」
「無理はしないで、授業ついていけにわけではないでしょ」
「それは大丈夫」
 私は徐行に関しては自信満々に言った。
「わかった。もし行けるようになっても保健室で過ごすこともできるから、教室に入るのが無理ならほかの選択肢があるっていうことを忘れなおでね」
 咲來も自分のことで心配しないことがあるのに私のことも気にしてもらうの申し訳なかった。
「ありがとう。迷惑かけるつもりはなかったんだけど」
「気にしないの。私も助けてもらったし」
 咲來は私が気にしていることに明るくしてくれるので、私はいつもその姿に救われている。
「あれは私の力じゃないから」
 そういうと、咲來も何も言えなくなった。
「まぁ、また放課後来るね」
 いつになったら学校に行けるかと考えながらリビングに戻る。
 継母に話しかけられた。
「今日も学校行けない感じ?」
 継母を無視することはできなかった。
「うん。すみません。お昼いつも一人分だったのに」
 普通に話すことも恥ずかしく、今までの態度で距離のつかみ方が分からない。
「気にしないで。そういうときもあるよ。学校は大切かもしれないけど自分がしんどいのに絶対に行かないといけないわけではないから」
 意外だった。
 この人はもっときちんとガッコに行かないといけないとか、世間が気になるからとかいうのかと思っていた。
「お父さんには……」
 父には言われるのは嫌だった。
 あの人は絶対に行かないといけないとか、俺の金で行けているんだとか言ってくるからだ。
「言わないよ」
 いたずら笑顔で継母が言った。
 お父さんに言えばたぶん必ず起こられる。
 お父さんのお金で行っているので、知られたくない。
 話したくもないけど。
 私は昨日咲來が持ってきてくれた宿題とノートを見ながら勉強をしていた。
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