変りたい自分
 目が覚めると私は保健室のベットで寝ていた。
 起きた私に気が付いた先生は誰かに声をかけていた。
 私は先生が誰を読んだのかわからず、カーテンのほうを見ていた。
 するとカーテンを開けて入ってきたのは矢部君だった。
 今私は時間もわからず、どんだけ寝ていたのかどうやって保健室に来たのか考えることにした。
 目の前にいる矢部君に聞かづに。
(私、矢部君の前で倒れたんだ)
 そして少しづつ倒れる前のことを思い出した。
 私の横で座っている矢部君を見て謝ろうとすると矢部君さんがたった。
「大松さん大丈夫? 急に倒れたからびっくりしたよ」
 笑って言ってくれているけど、焦っていたのは本当だったのだろう。
 ホッとしておる矢部君の顔が見えた。
「大丈夫です。でも、すみません。急に倒れちゃって」
 また迷惑かけたので少し下向いて謝っていると矢部君が気にしているようだった。
 二人で話していると先生がカーテンを開けて入ってきた。
「俺もびっくりしたわ。あ朝から保健室のドアが開くんだから。それに矢部が女の子をお姫様抱っこしてるなんて思わなかったしな」
 保健室の先生の言葉に私はまた顔の熱が上がった。
 倒れそうだったが、二回も倒れるわけにいかないと少し気を貼ることにした。
「大松さん。また顔赤いけど大丈夫?」
 気を張っても顔が赤いことだけは隠せなかった。
 手で覆い隠しても遅かった。
 保健室の伝でいが矢部君に聞いた。
「もしかして朝もこんな感じだったのか?」
 そんな質問がするとは思わなかった。
 矢部君もそんな質問が来るとは思っていなかったのか驚いた顔をしている。
「そうです。大松さんの顔がだんだん赤くなって」
 戸惑いながら、先生に倒れた時の事情を話していた。
 私のことなのに私だけ置いて行かれている感が半端なかった。
「そうか。大松のキャバを超えるようなことを矢部がしたんだな」
 先生の言っている身が分からなかった。
 だけど先生は何か知っているような口ぶりだった。
「えっ! 俺のせいですか?」
 先生に言われた矢部君が驚いていた。
 自分のせいなんて考えていなかった矢部君は焦っていた。
 そんな矢部君を見て先生が付け足した。
「まぁ、自覚はないだろうし、お前のいいところでもあるから気にしないでいいとは思うけどな」
 それでも矢部君の顔は焦ったままだった。
 何を考えているか私にはわからなかった。
「それだとまた大松さんが倒れることがあるって意味じゃないですか?」
 自分のせいだと言われたことより私の心配をしてくれるのがうれしかった。
 先生は笑いながら答えた。
「そうなるな」
 先生の顔は一人で何かに納得している顔だった。
 だけど矢部君どうすればいいのか焦っているようだった。
「それはよくないです。先生、教えてください」
 先生にどうすればいいのか矢部君が聞いているが、先生はその状況を楽しんでいるように見えた。
 だけど先生は素直に答えてくれることはなかった。
「本人に聞くことが一番いいんじゃない。余計なこと言うと俺が大松に怒られそうだからな」
 そういうと先生は楽しそうにしている。
 そんな風に先生に思われているとは思わず、少し怒っているような、笑っているような話かで言った。
「そんなことで私怒りませんよ」
 先生に笑いながら流された。
 先生は時計を見て何かを思い出したかのように、矢部君に話しかけた。
「矢部、もう少しいるなら、大松のこと見ててくれるか? 俺、職員室行ってくるから」
 矢部君がいることを確信している言い方だった。
 矢部君もそれをわかってか私の横に置いてあるイスに座った。
「わかりました。でも早く帰ってきてくださいね。俺授業あるんですから」
 少し先生に呆れている言い方だ。
 先生は誰に対しても変わらない態度で接している。
「わかってるよ」
 片手をポケットに突っ込んで手を振って、先生は保健室から出ていった。
 二人きりになってなんだか決まづくなりそうな雰囲気だったが、矢部君が話し始めてくれたので沈黙になることはなかった。
「聞いていいかな? 大松さんが倒れる理由」
 矢部君はどこか聞いてはいけないことを聞くみたいな雰囲気で話しているが、別に大した理由ではない。
 大した理由ではないので矢部君に呆れられることが怖かった。
「やっぱり人前で話すのが怖かったのもあるんだけど、矢部さんがかっこいいのが一番の理由だよ」
 私は矢部君の目が見れなくなり顔をそらした。
 そして顔を赤くした。
 少し気になって矢部君のほうを見ると矢部君の顔も赤くなっている。
「なんかありがとう。そうなこと言う大松さんも可愛いよ」
 そう言いながら矢部君は頭を撫でてきた。
 うれしさもあったが恥ずかしさのほうが上だった。
「あ、ありがとうございます」
 私は顔を赤くした。
 顔を隠したかったが矢部君に頭を撫でられているので、顔をそらすこともできなかった。
 先生が保健室のドアを開けると矢部君が立ち上がった。
「先生帰ってきたし。俺教室行くわ。元気になるまで休んでね」
 矢部君が行くのが少し寂しいなと思ったが、口にすることはなかった。
 心配されているので、保健室でしっかり休むことにした。
「はい」
 私は一限目は保健室で過ごし、二限目から授業に出た。
 矢部君のほうを見ると保健室のことを思い出し、顔に熱を感じた。
 それしていると矢部君は小さな声で話しかけてきた。
「元気になったみたいでよかった」
 安心したような顔で言ってくれるので、本当に心配してくれているのだと感じた。
 それでも目の前で倒れたので迷惑をかけたことには変わりがない。
「心配かけてしまって、すみません」
 授業中だから、周りの目を気にしないでいいと思うと自然に話せた。
 矢部君はそのことを言うわけでもなく自然と話をしてくれている。
「いいよ」
 小声で話しているからほかの人には聞こえていないので私も普通に話せた。
 放課後になることが楽しみになったが、二人になるのが恥ずかしくもなった。
 だけど矢部君を見ると恥ずかしさもあるが心臓が早くなるのを感じました。
 病気なのかなとふわった考えていたが、よくわからないので咲來に聞いてみようと思った。
 お昼になって屋上に向かった。
 屋上には咲來がもう来ていた。
 隣に座った瞬間に咲來に聞かれた。
「今日倒れたって聞いたけど、大丈夫だった?」
 クラスが違うのに何で知っているのかと思ったが、周りに人が多かったので噂になったのだとわかった。
 それに矢部君がお姫様抱っこ運んだことが噂が広まった原因だと思いだした。
 助けてもらったので何も言えないが。
「うん。矢部君と話せたんだけど、恥ずかしくなって倒れたみたい」
 倒れた理由が自分で言っていても恥ずかしい。
 だけど先が気にするところはそこではなかった。
「矢部になれされたの?」
 恥ずかしくなったのが、矢部君に何かされたと言われてそんな風に受け取るのかと驚いた。
 誤解なので早く解かないとと言葉を詰まりそうになりながら、咲來に話した。
「なにもされてないけど、なんでか恥ずかしくなって。……あと、保健室で頭撫でられた」
 誤解を解くのもあったが、頭撫でられたことを咲來に報告したい思ってと誤解を解くと同時に言葉が出ていた。
「頭撫でられたの」
 咲來は驚いていて、弁当を食べようとした手が止まって私のほうを見て固まっている。
 自分で言ったことなので否定することはないので素直に話した。
「うん」
 咲來が戸惑っているのは感じているが二限目からずっと考えていたことが気になっていたことをどうやって言葉にしようか悩んでいる。
 言葉でどう表していいかわからないので、前置きを入れた。
「あとね、自分のことなんだけどわからないことがあるんの」
 自分のことなのに咲來に聞いてわかるのかは、わからないけど咲來は何でも知っているので相談してみようと思ったが言葉が出てこない。
「なになに?」
 咲來は興味津々のように聞いてくる。
 だけど言葉にするのが難しくて伝わるか不安だった。
「矢部君を見るとなんだか心臓が早くなるんだ。なんでかな?」
 人と話すのが怖くて速くなるのかと思ったが、それとは何か違う感覚だった。
 咲來は何かわかったような、ニヤッとしたような顔で話し始めた。
「それは……。自分で気づいてもらいたかな。なので明日参考になるようなものを明日持ってくるね」
 咲來は何か答えを知っているようだった。
 だけど自分で気づけることなのか、自分に自信がなかった。
 もし咲來が思っていることを気づけなかったら、本当に咲來に聞こう。
「わかった。頑張って勉強する」
 参考資料があるなら、少しわかる気もした。
 ほかに何があったか聞かれて話していると昼休みがすぐ終わりそうだったので、私と咲來は急いでお弁当を食べて教室に戻った。
 午後の授業でもなんで運動したわけでもないのに心臓が早くなるのか、考えていた。
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