変りたい自分
 次の日。
 教室に入ると、矢部君はもう来ていた。
 私に気づいていないので話しかけようとすると私に気が付いた。
「大松さんおはよう」
 先に言われたので少し頑張ろうと勇気を出した。
 大きな声は出せないが私は小さな声で話した。
「おはようございます。矢部君さん」
 矢部君さんに聞こえたかはわからないが、教室で声を出すことができた。
 矢部君には聞こえたみたいで喜んだ顔をしてくれた。
 その顔を見ると嬉しくなったので、もう少し話していようと言う気になった。
「す、少しだけ話せました」
 話せたことがうれしくて出た言葉だった。
 矢部君も喜んでくれている。
「そうだね。これからも頑張っていこう」
 周りは何のことを話しているのどうという顔をしていたが、私は気にしていなかった。
 いつも矢部君の周りにいる女子ににらめれていたことには気づいていたが、矢部君がいるか何もしてこないだ用と思っている。
 気にしていなかった視線だが、だんだん冷静になってきて恥ずかしいと思ってしまい、私は教室から出ていった。
 私は心を落ち着かせて授業が始まる前には教室の自分の席に座っている。
 急に走って教室を出ていったので、授業が始まって小声で矢部君に話しかけられた。
「大丈夫だった?」
 前の日には倒れていたので心配させることを矢部君に話しかけられれて気づいた。
「はい」
 今こうして話しているのも少し恥ずかしいく、感じているが話せることがうれしいので少し気を貼って倒れないようにしている。
 矢部君は授業を受ける態度になったと思ったが何かを思いついたのかまた話しかけてきた。
「少し慣れたらの話なんだけど、俺以外の人と話してみるっていうのはどうかな?」
 矢部君と話せればいいと思っていたので、ほかの人のことまで考えてはいなかった。
 だけどこれから先のことを考えるとほかの人と話せるようにしといて損はないと思う。
「ほかの人ですか? 少し考えてみます」
 私は一日そのことを考えていた。
 放課後になると屋上に向かった。
 屋上には誰もいない。
 今日は矢部君さんは部活なので、屋上で矢部君さんを見ながら言われたことを考えていた。
(でもこれから慣れていくには、ほかの人と話すのもいいのかもしれない)
 矢部君の意見に納得していた。
 もう少し先の話になるが、ほかの人と話すこともしようと思い始めた。
 次の日。
 咲來の家に行くと、ドアの前で待っていた
「昨日言ってた参考書」
 紙袋に入っていたのを渡された。
 本なのはわかっていたが、何が入っているかわからなかったので見てみると、それは咲來がよく読んでいた漫画だった。
 なんで漫画を渡されたのかもわからず、聞いてみることにした。
「漫画?」
 これが私がもやもやしている答えが乗っていると言われても不思議にしか思わない。
 これで何が分かるのかも検討が付かない。
「そう。これ読んだら大体の人が分かると思うわ」
 咲來は自信満々に言ってきた。
 大体わかるって言われても、わかる自信がない。
 それに咲來が言っていることを読みとれるかも自信がなかった。
 それでも咲來が私のために溶かしてくれたものなので、一度頑張ってみることにした。
「わかった。頑張ってみる!」
 そういうと咲來は笑ってくれた。
 自分のことでもないのにここまでしてくれるのだから、私も相談された時には力になれるかわからなくても相談には乗りたいと思う。
「うん」
 登校している間矢部君とどんな話をするのかと聞かれたりして学校に着いた。
 教室の前で咲來と別れて、教室に入った。
 大きな声や普通の声で矢部君に話しかけるのはまだ勇気がいるので、小声でしか話しかけられなかった。
 矢部君産にも聞こえるかわからない声で話しかけた。
「おはようございます。矢部君さん」
 矢部君は私の声に気が付いてくれた。
 自分でもこの声は気づいてくれないかとも思っていたが、矢部君さんは本当に周りを見ているなと感じた。
「おはよう。大松さん」
 元気に返してくれた。
 笑顔で話しかけてくれたことがうれしくて、それ以外の言葉が出なかった。
 もっと他の話も使用丘と考えていたのだけど、そんな余裕は私にはなかった。
 席に座って、咲來に借りた漫画を読むことにした。
 はじめのほうは少し矢部君のことを気にしていたが、漫画の主人公に感情移入をしていき、周りを気にすることができなかった。
 授業のことも忘れて本を読んでいると、肩を軽くたたかれていた。
「大松さん? 先生が来たよ」
 矢部君が先生が来たことを教えてくれたのだ。
 私は矢部君が教えてくれなかったら、授業が始まっても本を読んでいたので、矢部君さんがやさしくて助かったと思った。
「ありがとうございます」
 お礼を忘れる前に行った。
 そのまま所行に戻ろうとしたとき、矢部君さんから小声で話しかけられた。
「何呼んでるの?」
 そんなことを聞かれると思っていなかった私は、驚言え声が出そうになった。
 矢部君さんが私が読んでいる本に興味を持つと思っていなかったので、少しうれしくも感じた。
「咲來から借りた漫画です。とても面白くて」
 少女マンガだから興味はないと思っているが、言聞かれたので一応答えた。
 話せるきっかけになっているので、私はうれしかった。
「読み終わったら、感想聞かせてよ!」
 矢部君さんが興味を持つとは思っていなかったので感想のことなんて考えておらず、自分が分かればいいかの理解で終わろうとしていた。
「私の感想なんて……」
 自分の感想を聞いても誰お得しないと思う。
 それでも矢部君さんは私の感想を聞いてくれるのだろうかと心配になった。
「そんなことないよ。感想、楽しみにしているから」
 大分話していたので先生に目につけられそうだったので、矢部君が強制的に話を終了させた。
私はどうやって伝えればわかりやすいかなと思いつつ、話しかける理由が増えたことを喜んでいた。
 私は休み時間のたびに咲來から借りた漫画を読んでいた。
 早く矢部君さんに感想を言いたいのもあったが、漫画が本当に面白くて休み時間を使っても読みたいと自然に思っていた。
 読んでいてわかったことは、漫画の主人公と今私の中にあるもやもやが同じだということだ。
 本と同じなんてありえないと思っていたが、読めば読むほど同じことで悩んでいたり、同じことで心臓が早くなったりとしているので、私は漫画の主人公と同じ思いをしてっると感じた。
 まだ最後まで読んでいないので、この気持ちが何なのかはわからないが、このまま読んでいけばわかる気がしている。
 私は咲來に早くお礼が言いたいと感じた。
 お昼休み、咲來にお礼を言おうと駆け足で屋上に向かった。
 屋上の扉を開けると嬉しそうに私のほうを見てきた。
 何かいいことがあったのかいつもなら聞くけどきょうは自分が話したいことがあったので、後回しになった。
「咲來、そんなに嬉しそうにして何かあった?」
 いつも通り私は咲來に言聞いた。
 だけど嬉しそうにしているのは私もだが、咲來も同じなのではと思った。
「それは私じゃなくて歩楓のほうじゃないの?」
 そういうと咲來は不思議そうにしている。
 私には咲來の顔にうれしいことがあったと書いてあるように見えるのに、咲來は隠せていると思う。
「私? 確かにうれしいことはあったけど、なんで先がそのこと知っているの?」
 私はうれしいことがあるけど先の話を聞いてからにしようと考えていたので、隠しているつもりだった。
 だけど咲來いわく顔に書いてあるらしい。
「そりゃ、見てたからね」
 そのことを言われて驚いた。
 咲來とはクラスが違うので、私が矢部君と話していることなんて見れるはずがない。
 なのに見ていたと言われたのでいつみていたのか気になった。
「見てた。……でも授業中だったはずだけど」
 そう。
 クラスも違えば授業中なので私たちが話していることなんて誰も気に指定なはずだった。
「そうだよ。たまたま教室に忘れ物鳥に言ったら、歩楓が嬉しそうに教室で矢部君と話して言うるんだもん」
 咲來は自分のことのように嬉しそうだった。
 そんなにうれしいことなのかとと思ったが咲來が喜んでいるようで私もうれしかった。
(そんなところ見られてたんだ)
 だけどそんなことを見られているとは思っていなかったので、恥ずかしくなった。
 もしかしたら会話まで聞こえていたのかと心配にもなった。
「で、何話してたの?」
 会話が聞こえていなくてホッとした。
 でも聞いてくれるのはうれしいが少し話すのが恥ずかしく思えた。
「漫画の感想教えてって言われ」
 咲來の顔は嬉しそうにしていたが不思議な顔もしている。
「それだけ?」
 咲來にとってはそれで毛のことだった。
 だけど私にとっては少しのことでもうれしくて、些細なことでも喜べた。
「それだけでも私にとってはうれしいことなの。矢部君君と話す機会増えるし」
 自分がこれだけのことで喜んでいるのは変化と思ったが、私はこれでもうれしいことを咲來に伝えた。
 すると咲來の顔がニヤリとした。
「そんなに矢部君と話したいの? 普段も話して言うるのに?」
 その言葉で私の顔は赤くなった。
 放課後はずっと話している。
 教室で話すことができない分放課後に話していたが、最近は朝も話せるようになったので、少し朝も話す。
 それでも私はどこか足りなかった。
「もっと話したいの」
 私は開き直った。
 普段ならこんなこちわないが今日はうれしいこともあったのでテンションがおかしかった。
 顔を赤くしながら私は話していた。
「おお! こんな歩楓見たことない」
 さきが勧進している。
 普段見れいないのは本当だろう。
 私自身もこんな自分を知らないかだ。
「からかわないでよ。そうだ漫画貸してくれてありがとう」
 はあ無を変えた。
 自分が降った話ではなかったが、もともと自分でも話そうと思っていたことでもからかわれると恥ずかしくて、私が耐えられなかった。
「何かつかめそう?」
 貸してくれるだけでもうれしいが、咲來は何かつかめることを知って言う量な感じで言っているので、ためになるのだと思っている。
 今はまだつかめている感じが全くしていないが、いつかはつかめるのだろうと私の中でも確信していた。
「つかめるかわからないけど、主人公が考えていることと似てるなとは思っているかな?」
 今漫画を読んでいて感じていることをそのまま伝えた。
 感じているのがあっているのかはわからないが、政界ではなくとも何かのヒントになればいいとも思っている。
「その調子ならつかめるんじゃない?」
嬉しそうに言ってくれているので頑張ろうと思えた。
「そうかな。読めたら報告するね!」
 嬉しそうにしてくれているのが私もうれしかった。
 だけど何かを思いついたかのように咲來が言った。
「私により矢部君にしてやれ」
 なぜそこで矢部君が出てくるのか不思議だった。
「なんで矢部君?」
 咲來はそのことには話してくれなかった。
「そのうちわかるよ。それより食べよう」
 咲來が話をそらした。
 本当はもっと追求しようかと思ったが、時間がなかったのでおベントを食べることにした。
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