ゆるされないと、わかっていても
「お待たせ。」
たまに見かけることはあっても会って話すのはこの間の雨ぶり
普通にしなきゃ
そう思っても緊張してしまう
「藍聞いてる?」
「え!?ご、ごめん聞いてなかった。」
「ははっ、藍緊張しすぎ。」
「だ、だってそれは…っ!
手を握られて杉野くんの左胸に押し当てられた
ドクドクドク
鼓動が速くなってるのがわかる
「ほら、俺も緊張してる」
そんなこっちの心拍数上げるようなことやめて…
「で!どこ行くの?」
「藍の家まで送ってく。」
「え、どういうこと?」
「そのまんまの意味。ただ藍に会って話したかっただけだから。」
なんでそんなこと普通に言えるの
「そんな期待させるようなことどーせいろんな子に言ってるんでしょ。そういうの良くないよ。」
すると大きい体が私の体を包み込んだ。
「ちょっ…
「誰にでも言うわけねーだろ。バーカ。」
耳元でささやかれる
私も手を彼の背中に回してしまった
「俺…藍のこと好きだから。」
私はただこくりと頷いた。