ゆるされないと、わかっていても



「お待たせ。」



たまに見かけることはあっても会って話すのはこの間の雨ぶり



普通にしなきゃ



そう思っても緊張してしまう



「藍聞いてる?」



「え!?ご、ごめん聞いてなかった。」



「ははっ、藍緊張しすぎ。」



「だ、だってそれは…っ!



手を握られて杉野くんの左胸に押し当てられた



ドクドクドク



鼓動が速くなってるのがわかる



「ほら、俺も緊張してる」



そんなこっちの心拍数上げるようなことやめて…



「で!どこ行くの?」



「藍の家まで送ってく。」



「え、どういうこと?」



「そのまんまの意味。ただ藍に会って話したかっただけだから。」



なんでそんなこと普通に言えるの



「そんな期待させるようなことどーせいろんな子に言ってるんでしょ。そういうの良くないよ。」



すると大きい体が私の体を包み込んだ。



「ちょっ…
「誰にでも言うわけねーだろ。バーカ。」



耳元でささやかれる



私も手を彼の背中に回してしまった



「俺…藍のこと好きだから。」



私はただこくりと頷いた。



< 10 / 26 >

この作品をシェア

pagetop