ゆるされないと、わかっていても
「叶汰。浮気してるの?」
ある日私は意を決して言うことにした
「…………。」
嘘でしょ?
「え…黙ってないでなんか言いなよ。」
「ごめん……あの…。」
しばらく沈黙が流れる
もういい
それが答えなんでしょ?
絶対泣かない
泣くなんてプライドが許さない
そう思ってたのに
「浮気してんなら……浮気してんならはっきり言えばいいじゃん…うっ…は、はっきり…私のこと好きじゃなくなったって言ってよ…ううっ…。」
私は彼の胸を何度も殴るしか出来なかった
ただただ泣きじゃくって。
その後も一切連絡もこなかった
お互い気持ちを伝え合っていたのにその言葉も嘘だったと思うと悲しくて辛かった
その日を境に叶汰は急に学校にも来なくなった
しばらくして転校していたことを先生に告げられた
何で私に言い訳も何も言ってこないの?
浮気して、引っ越しして、もう会うことはないですではい、終わりなの?
そんなことを考えるのにも、もう疲れてしまった
今思えば待ってるんじゃなくて好きなら私から連絡して納得するまで話し合えばよかったのかもしれない
でもあいつのことなんてもう知らない
彼は私に何も言わず何の言い訳もせず逃げた
裏切られた
悲しい
つらい
そんなことばっかり積もっていく。
それ以来私は人を好きになるのが怖くなった
また裏切られるかもしれない、そう考えると、好きになれなくなった