ゆるされないと、わかっていても
第3章 同情なんかじゃない



「宮間さん、宮間さん!」



「あ、はい。」



「日直だからこれ英語科準備室に持ってきて。」




叶汰のことを思い出してからというものあの時のことを思い出して胸が苦しくなったりぼーっとすることが増えた。




ガラガラ




「失礼しまーす。」



「あーありがとうー。やっぱり女の子1人じゃ重かったか、ごめんごめん。」



「いえ、大丈夫です。でもこれ別にここに持ってこなくていいやつですよね?」



「気づいちゃったか。宮間さんにちょっと聞きたいことがあって。」




え、聞きたいこと?




「最近悩んでることある?」



「へ?」



「いや、最近授業中もぼーっとしてることが多いから気になって。」



え、先生にバレてるなんて



「まさか俺の授業つまんない?」



「そ、そうかもしれないですねー。」



「え嘘。」



先生の顔が急に不安そうな顔になって面白い



「ふふ。嘘です。別にこれと言って何もないですよ。英語はたしかにわかんないですけど。」




これも嘘
英語がわかんないのは本当



いつも悩みとかあっても気づかれることないのに
親にですら




「本当?なら良かったんだけど。俺で良かったら何でも言ってね。」



「はい。」



先生はニコッと笑って私の頭を撫でた。





ドキッ





あれ?





何で今ドキッとしたんだろう。





叶汰のことを思い出して胸が苦しくなるのとはまたちょっと違う感じがした




嘘でしょ?




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