ゆるされないと、わかっていても

「で、なーんか気になっちゃうわけか。」



帰り道なんとなく話題として出してみた



「そ、そんなわけないでしょ！もう私は恋愛とか興味ないんだって。」



「気になるっていうか目につくというか…そんな感じなの。」



「それもう好きになりかけてるんじゃない？」



莉々華は恋愛体質だからそれだけで好きになっちゃうのかもしれないけど私は違うもん



「莉々華はすぐそうやって恋愛に結びつけるんだからー。そんなことないよ。」



「第一先生彼女いるって言ってたし、もう彼氏とかそーゆーのいいの。」





私に限ってそんなことありえない。





「これでも私は前の事のせいで恋愛が嫌いになってる藍を心配してるんだよ？」



興味ないだけだし。



「にしても真尋先生は叶汰とは全然タイプ違うじゃん。子犬系好きだったっけ？」





"叶汰"という久しぶりに耳にした名前に少し胸がチクっとした





「もう前の話はいいってば。」




そう、私は叶汰のせいで人を好きになることが怖くなった