ゆるされないと、わかっていても
第2章 藍の過去
-2年前-
「もう遅刻じゃん。最悪ー。」
今日はバスが大幅に遅延した上に途中から雨も降り出した
本当ついてない
「こんな雨ならお母さん傘持っていきなとか言ってくれたら良かったのに!もう!」
靴を怒りに任せて下駄箱に投げ込む
「ははっ、1人でキレんなよ。」
「え?」
見上げるとこの学校で知らない人はいないであろう人が立っていた
彼の名前は杉野叶汰。
学校1イケメンと称され、ファンクラブもあるほどの人気っぷり
私なんかは彼と話したことがあるわけもない
「これでふけば?」
ばさっとタオルを頭に乗せてくれた
「あ、ありがとう。じゃあ、わ、私はこれで。あ、このタオル…洗って返すね!」
直接返したらファンクラブの人に恨まれるだけだから誰かに落とし物とか言って渡してきて貰えばいっか
「ちょ、ちょっと待て。」
教室に向かおうとした時、腕を掴まれた
え??
「そ、そんな姿で教室いけねーだろ。」
どういうこと?
何言ってるのこの人と思って自分の姿を見てみると
私のシャツは濡れて下着が完全に透けていた。
「やだっ変態!!!!!」
「仕方ねーだろ!み、見えちゃったんだから。」
ぶっきらぼうにそう言う彼は耳まで真っ赤
この人、女慣れしてそうなのに意外
「クラス全員から見られるより俺だけの方がま、まだマシだろ。つーか行くぞ。」
「え、どこに?」
腕を掴まれたまま引っ張られて言われるがまま廊下を2人で走った