イモーションロックシンドローム〜永遠の絆〜
ドアが乱暴に閉まるも、光は何も感じなかった。とりあえず買いに行かないとまた暴力を振るわれる、という考えで体が動き、近所にあるコンビニに入った。

とはいえ、光は未成年だ。おまけに着替えずにボウッとしていたため、光は中学校の制服姿だ。お酒など買えるはずがない。

とりあえず、スルメやかまぼこなどのおつまみを適当に選んでレジに持って行く。そしてコンビニを出た時、「あれ?光じゃん」と紫苑に声をかけられた。

「お前もおつかい?俺も、弟がアイス食いたいって騒ぐから来たんだ〜。アイツの財布から出すんだし、ハーゲンダッツとか高いやつにしようと思って」

紫苑は笑いながらそう言い、光はそれをボウッと見つめる。やはり、彼が友達だと言ってくれる理由が謎だ。

「光、何買ったんだよ?」

紫苑に訊かれ、光は黙って袋の中身を見せる。人に見られて嫌だという気持ちもないのだ。紫苑は光が買ったものを見て、表情を変えた。

「これ、光が食べるの?」
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