イモーションロックシンドローム〜永遠の絆〜

自分は必要とされていない。生まれては来てはいけなかった。幼い子どもにとって、とても重くて辛い出来事だろう。

絶望、悲しみ、虚しさ、寂しさーーー。幼い子どもが感じないような感情を全て味わった後、プツンと何かが切れたように光は感情全てを失った。



学校が開くまでの間、光は公園で時間を潰した。スマホを開き、流行りの音楽を再生したり、小説を読んでみたりする。しかし、その顔は変わらず無表情で、心は何も感じていない。

「……」

学校が開く時間になったため、光は立ち上がって歩き出す。朝ご飯を食べていないが、何かを食べたいという思いがないのだ。そのまま学校へ向かう。

光の通う中学校は、生徒の数もそこそこ多い。クラスは六クラスあり、同じ学年でも全員の顔と名前は覚えられないほどだ。

汚れたスニーカーから上履きに履き替え、光が向かったのはまだ賑やかではない教室、ではなく保健室だった。

「おはようございます」