イモーションロックシンドローム〜永遠の絆〜

その時、ガチャリとドアが開いて光は玄関の方を見る。何故か、この時間には帰ってこないはずの父親が帰ってきていた。しかも、お酒を飲んだのか顔が赤い。

「ああ？何でテメェがいるんだよ！お前なんか飯作ったらさっさと消えろよ！」

父親はそう言い、「酒ねえのか？」と言いながら冷蔵庫を開ける。しかし、料理をしないこの家の冷蔵庫にまともなものが入っているはずがなく、父親は光を睨み付けた。

「何で何もないんだよ！！こっちはお前に使う金稼いでんだよ！！父親を労わろうって気はねえのか！？ああ？」

光は父親に胸ぐらを掴まれ、揺さぶられる。その間にも暴言を吐き続けられたが、その暴言は光の耳に入ってはスウッと消えてしまう。なので、何を言われても悲しくない。

やっと父親から解放された刹那、光に財布が叩き付けられる。そして父親に襟首を掴まれ、無理やり光は外に追い出された。

「酒とつまみ、買ってこい！買ってきたら公園にでも出てけ！」