冬に花弁。彷徨う杜で君を見つけたら。
兄と妹
「ウオロラアァああああああ!
リュウちゃん!!やった!!
やったでえぇぇえ~ー!~!」
うぉっつつっしゃあああ!!
『ガッ』
「痛ぁ~い!☆」
と、チョウコは
シェアレンタルしたグレーの
軽自動車を走らせながら、
片手を思いっきり
振り上げ
車内の天井に手をぶつけた。
住宅街を早々に、チョウコが
脱出したお陰で、
『ウーーーーーーーーー、、、』
パトカーとはすれ違って
逃げていける。
「あいつ、ホンマにしょーもない
ヤツやわ、 人ん家、勝手に、
ポリ公呼びやがって、ちっさい」
なあ、リュウちゃん!
チョウコはフロントガラスに
映る自分に向かって
話す様に、しゃべりかける。
「女連れ込むかぁ?ふつう、
あたしが買っうた家やで?
そんで、カギ替えて締め出す?」
ありえへんわ!!
チョウコは足を踏み込んで、
車を ゴウンと、浮かせた。
「あたしのモン売って金作るって
終わってるわ、セコチンや!」
セーコチン! グン、
セーコチン!グン、
軽自動車の中で、
カーラジオから流れる爆音演歌を
BGMに、チョウコは
シュプレヒコールを雄叫びながら
ワイパーを動かし、
くだらねーっ!!
と、笑ってハンドルを切る。
『ピピ』
ハンズフリーにしていた
電話に着信が入って、チョウコが
通話をONにすれば
『チーョーウーコーーーー!!』
イヤホンから、予想していた
横浜に住む、
チョウコの兄の声が響く。
『チョウコ!人が紹介した弁護士に
何させてるんだよ!しかも!』
御老体の町内会長のSNSに
大惨事のオマエん家が
オトモダチ対象でUPされてるぞ!
「アハハ、オトモダチって、」
『アハハじゃない!!
気でも狂ったか!今すぐ来い!』
「何!逃げろっての?横浜に?」
『それじゃ、完全に犯罪者だ!
父さんにも連絡している。
なんとかしてくれるだろから。』
ちょっと休んで、頭冷やせ。
イヤホンから聞こえる兄の声に
どこかブルーな色が混じる。
それを、感じながらチョウコは
はあーっとため息をついて、
「イヤ!」
一言否と答える。
『いいから、こっち来いよ。』
兄の声はまだブルーに滲む。
チョウコは、
見えていない相手に 口を尖らせ
「あたし、リュウちゃんに会いに
行くから、そっち行かない。」
子供のように返事した。
その台詞に、イヤホンから兄の
怪訝な
『チョウコ?何いってるんだ?
リュウに会うって、いい加減
諦めたんだろ?冗談いうなよ!』
大声がまた響く。
チョウコは、眉を潜めて
見えて来た 国道沿い
ファミリーレストランの
パーキングに軽自動車を入れる。
「まだ、リュウちゃんの体は
戻ってないもん!!だから、」
リュウちゃんに あたしが
会いに行く!
遺体の無い葬儀。
次の日には、結婚式だった。
『チョウコ!リュウが死んで
何年たってると思ってる!!』
兄の怒号が耳元で
グワングワンしても、
チョウコは、パーキングで
ハンドルを握り締め、
「だって!リュウの体!見てない
だから、リュウちゃんは、!」
突き破るように、
イヤホンマイクに向かって
声を荒げる。
『生きてるなら!リュウはっ、
絶対チョウコのところに帰る!
でも、違うだろ?!あんな状、』
兄もチョウコに容赦ない。
それは、もう何回もやり取り
しているハズなのに、
いつも、真剣にやり合いに
なるのは、
「うあえああああああいあんんん
会うのおぉ、リュウちゃんにぃ
会いにいくんだからあああぁ」
ああーあーわああーぁぁ、、、
チョウコは、パーキングに
入ってきた
ファミリーレストランの客の
視線も目にせず、
車で天を仰ぎ号泣する。
『チョウコ、、』
兄にとっても親友。
チョウコの初恋にして、
結婚式を挙げる
秒読み段階だった婚約者
リュウの遺体は
まだ海に沈んでいる。
リュウちゃん!!やった!!
やったでえぇぇえ~ー!~!」
うぉっつつっしゃあああ!!
『ガッ』
「痛ぁ~い!☆」
と、チョウコは
シェアレンタルしたグレーの
軽自動車を走らせながら、
片手を思いっきり
振り上げ
車内の天井に手をぶつけた。
住宅街を早々に、チョウコが
脱出したお陰で、
『ウーーーーーーーーー、、、』
パトカーとはすれ違って
逃げていける。
「あいつ、ホンマにしょーもない
ヤツやわ、 人ん家、勝手に、
ポリ公呼びやがって、ちっさい」
なあ、リュウちゃん!
チョウコはフロントガラスに
映る自分に向かって
話す様に、しゃべりかける。
「女連れ込むかぁ?ふつう、
あたしが買っうた家やで?
そんで、カギ替えて締め出す?」
ありえへんわ!!
チョウコは足を踏み込んで、
車を ゴウンと、浮かせた。
「あたしのモン売って金作るって
終わってるわ、セコチンや!」
セーコチン! グン、
セーコチン!グン、
軽自動車の中で、
カーラジオから流れる爆音演歌を
BGMに、チョウコは
シュプレヒコールを雄叫びながら
ワイパーを動かし、
くだらねーっ!!
と、笑ってハンドルを切る。
『ピピ』
ハンズフリーにしていた
電話に着信が入って、チョウコが
通話をONにすれば
『チーョーウーコーーーー!!』
イヤホンから、予想していた
横浜に住む、
チョウコの兄の声が響く。
『チョウコ!人が紹介した弁護士に
何させてるんだよ!しかも!』
御老体の町内会長のSNSに
大惨事のオマエん家が
オトモダチ対象でUPされてるぞ!
「アハハ、オトモダチって、」
『アハハじゃない!!
気でも狂ったか!今すぐ来い!』
「何!逃げろっての?横浜に?」
『それじゃ、完全に犯罪者だ!
父さんにも連絡している。
なんとかしてくれるだろから。』
ちょっと休んで、頭冷やせ。
イヤホンから聞こえる兄の声に
どこかブルーな色が混じる。
それを、感じながらチョウコは
はあーっとため息をついて、
「イヤ!」
一言否と答える。
『いいから、こっち来いよ。』
兄の声はまだブルーに滲む。
チョウコは、
見えていない相手に 口を尖らせ
「あたし、リュウちゃんに会いに
行くから、そっち行かない。」
子供のように返事した。
その台詞に、イヤホンから兄の
怪訝な
『チョウコ?何いってるんだ?
リュウに会うって、いい加減
諦めたんだろ?冗談いうなよ!』
大声がまた響く。
チョウコは、眉を潜めて
見えて来た 国道沿い
ファミリーレストランの
パーキングに軽自動車を入れる。
「まだ、リュウちゃんの体は
戻ってないもん!!だから、」
リュウちゃんに あたしが
会いに行く!
遺体の無い葬儀。
次の日には、結婚式だった。
『チョウコ!リュウが死んで
何年たってると思ってる!!』
兄の怒号が耳元で
グワングワンしても、
チョウコは、パーキングで
ハンドルを握り締め、
「だって!リュウの体!見てない
だから、リュウちゃんは、!」
突き破るように、
イヤホンマイクに向かって
声を荒げる。
『生きてるなら!リュウはっ、
絶対チョウコのところに帰る!
でも、違うだろ?!あんな状、』
兄もチョウコに容赦ない。
それは、もう何回もやり取り
しているハズなのに、
いつも、真剣にやり合いに
なるのは、
「うあえああああああいあんんん
会うのおぉ、リュウちゃんにぃ
会いにいくんだからあああぁ」
ああーあーわああーぁぁ、、、
チョウコは、パーキングに
入ってきた
ファミリーレストランの客の
視線も目にせず、
車で天を仰ぎ号泣する。
『チョウコ、、』
兄にとっても親友。
チョウコの初恋にして、
結婚式を挙げる
秒読み段階だった婚約者
リュウの遺体は
まだ海に沈んでいる。