2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~【リニューアル版】
誰か助けて……


「お願い、本当にやめて下さい。大きな声出しますよ!」


「ここで叫んでも広すぎて無理じゃない? 大人しく僕に抱かれろよ。社長と別れたばっかりで寂しいんだろ? 僕が満たしてあげるから」


本当にもう耐えられない。
佐藤君の時みたいに、柊君に助けてもらいたい。
柊君なら、きっと専務から私を守ってくれただろう。
でも、もう、そんなことは期待しちゃいけない。


その時、たまたまポケットに入れてたスマートフォンが鳴った。
必死でそれを取り出し、何とか着信ボタンを押した。


「助けて!」


そして、短く場所を伝えた。
専務はマズいと思ったのか、私の手からそれを奪い取った。


誰の着信だったか、一瞬だったからわからなかった。
誰でもいいから、お願い……早く来て。


「柚葉ちゃん、いい加減にしないと……。僕を怒らせたら怖いよ」
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