2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~【リニューアル版】
大切な約束
夜になり、昼間の嫌な出来事をちょっとでも早く忘れたくて、眠くはなかったけど早めに布団に潜り込んだ。


明日の朝、何もかも綺麗に忘れられてたらいいのに……
山下専務のことも、そして、柊君のことも。


目を閉じたのと同時に、スマートフォンが鳴った。
今頃、誰だろう?
私は、体を起こして明るく光る画面を見た。


樹さん……


「は、はい」


『ごめん、柚葉。こんな時間に』


時計を見たら、まだ22時だ。


「いえ、全然大丈夫です。どうかしましたか?」


『あ、いや、柚葉……大丈夫か?』


樹さん、専務とのことを心配してくれてるんだ。


「今日は……本当にありがとうございました。私なら大丈夫です」


『……なら、いいんだ。ずっと気になってて、こんな時間に悪かったな』


樹さんの優しい言葉が胸にグッときた。
わざわざ電話もくれて、疲れてるはずなのに。
< 124 / 264 >

この作品をシェア

pagetop