2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~【リニューアル版】
樹さん、どこに行ったの?
もし樹さんがいたら、女子達に声をかけられてるはずだけど、さっきからずっと姿が見えない。
私は、帰り支度をしながら、時計の音が聞こえる程静寂に包まれたフロアで樹さんを待った。
樹さん……
もしかして、約束忘れて帰っちゃったのかな。
不安がよぎる。
「柚葉」
私の名前を呼ぶ声が聞こえて振り返ると、そこには息を切らした樹さんがいた。
「樹さん!」
「悪い、待たせたな」
「あっ、いいえ。樹さん、息切れてます?」
「い、いや、別に。下に車止めてるから行こう」
樹さんは、手馴れた感じでフロアの戸締りをした。
駐車場まで降り、樹さんの車の助手席に乗せてもらった。
瞬間に香るとってもいい匂い。
「素敵ないい香りですね」
「ただの芳香剤」
それだけ言って、樹さんは車を出した。
今日、私と樹さんが2人でいることは、柊君は知らない。
柊君と私がクリスマス・イブを一緒に過ごすことは、この先二度とないんだ……
もし樹さんがいたら、女子達に声をかけられてるはずだけど、さっきからずっと姿が見えない。
私は、帰り支度をしながら、時計の音が聞こえる程静寂に包まれたフロアで樹さんを待った。
樹さん……
もしかして、約束忘れて帰っちゃったのかな。
不安がよぎる。
「柚葉」
私の名前を呼ぶ声が聞こえて振り返ると、そこには息を切らした樹さんがいた。
「樹さん!」
「悪い、待たせたな」
「あっ、いいえ。樹さん、息切れてます?」
「い、いや、別に。下に車止めてるから行こう」
樹さんは、手馴れた感じでフロアの戸締りをした。
駐車場まで降り、樹さんの車の助手席に乗せてもらった。
瞬間に香るとってもいい匂い。
「素敵ないい香りですね」
「ただの芳香剤」
それだけ言って、樹さんは車を出した。
今日、私と樹さんが2人でいることは、柊君は知らない。
柊君と私がクリスマス・イブを一緒に過ごすことは、この先二度とないんだ……