2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~【リニューアル版】
「樹さん、ありがとうございます。誘ってもらって本当に良かったんですか?」


「どういう意味?」


ハンドルを握りながら、樹さんが聞く。


「……あ、いや……あの……今日はクリスマス・イブだから……」


「だから?」


その淡々と聞く感じが、ちょっと怖い。


「たとえば、お友達とかとみんなでワイワイ、パーティーとかしないのかな? って」


樹さんは、少し笑った。


「柚葉、お前は俺がアメリカに住んでたこと意識し過ぎだろ。アメリカではみんなクリスマス・イブはパーティーするって思ってる?」


確かに、樹さんに対しては、いつもアメリカ式なイメージが先行してしまう。


「すみません。ちょっと思ってました……」


「面白いやつだな、お前」


「そ、そんなことないですよ。でも、今日はクリスマス・イブだし、本当に私と一緒で良かったのかなって」
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