2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~【リニューアル版】
クリスマス・イブの夜に~樹side~
柚葉に告白したんだな、俺――


マンションまで送り届けて、帰る車中、さっきまでの出来事を思い返していた。


あいつはまだ、柊への想いを断ち切れないでいる。
それは痛いほどわかってる。
そんな時に告白するのがズルいことも。


それでも俺は、正直に柚葉に想いをぶつけた。
そこには俺なりの責任と覚悟があった。


2人で敬語なしで話せるようになって、あいつ、今日のことを喜んでくれた。
笑顔の柚葉が愛おしく思えた。
柊のことで苦しむあいつを見てるのは、本当につらかったから。


こいつを守りたい、ずっと一緒にいてやりたいと――本気でそう思ってた。


柚葉の心の中には兄の柊がいて、そして、その柊を、俺は家族として大事に思ってる。
そんな複雑な状況も、今の俺にはどうしていいのかわからなかった。


でも、柚葉への想い、それだけは、これから先も決して変わることはないと断言できる。
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